環境への取り組みを管理する国際規格としてISO14001(環境マネジメントシステム規格)がある。
最近は、ホテルがこの「環境マネジメントシステム」に取り組んでいる例が多い。
ホテルが取り組みをしている理由としては、まずは、「節水や省エネ活動」などにより、
◇管理コストが抑制できる
◇環境に取り組んでいるホテルであることを対外的に示すとイメージもよい
という理由であろう。
もちろん、取り組みをはじめ、認証取得・継続ともなると、単純な電気量削減や廃棄物削減、節水といった環境負荷削減だけでなく、エコキャップ活動、ダウンライト活動、ドギーバック活動(宴会料理の持ち帰り)、エココプター(空調効率化のための装置)、体験学習受入活動といった社会貢献や環境への関心を高める活動も実施していくことになるので、従業員の問題意識や改善意識が高まり、スタッフ教育の一環にもなるといった、効果を目的にしている組織もたくさんある。
先日、ある都市に4日間出張があり、環境ISO(ISO14001)を取得しているホテルを敢えて選んで泊まってみました。
部屋に入ると、ホテルが環境に取り組む「定番」ともいえる「シーツ交換不要表示」の案内があった。
しかし、「シーツ交換不要」に協力した場合のメリットが宿泊者に無い。
仕事柄、「シーツ交換を含めた清掃コスト」をおおよそ知っているので(笑)、例えば、宿泊料の低減や併設する喫茶店などでコーヒー無料といったサービスが付いてこないと、「環境に優しいのはわかるけど、コスト的にはメリットがあるのはホテル側だけで、ユーザーは善意で協力するだけじゃん」という気持ちが働き、どうも協力できない(笑)
シーツ交換不要のほかに、「どんな環境への取り組みをしているのかなぁ」とホテルを見渡してみたが、よくわからない。
そこで、ホテルのウェブサイトにアクセスすると、「環境活動レポート」が掲載されていました。
ただ、年度が「4月~3月」なのに、「2014年度(2014年4月~2015年3月)の環境活動レポート」が無い。
そのため、前年度と今年度(現在)の取り組みがさっぱりわからない。
ちなみに、2013年度の環境活動レポートを見ると、私の宿泊した施設からの提案件数は0件。
他の対象ホテルが、提案件数を10件以上挙げているのに。。。
ホテル間で、温度差があるようだし、また、レポートで当該年度の悪かった取り組みについては、
その理由と次年度に向けての反省や改善策がかかれていなければ、環境活動レポートとして
意味がないし、機能していない。
風呂場に行くと、節水とシャワー粒の大きさをうたったエコシャワーを採用されていました。
しかし、そもそも、水圧が低く、季節的にも、シャワーだけでは、からだが温まらず、結果的に
浴槽にお湯をはって、からだを温めることに。
水圧がもっとあれば、熱い湯を浴びて、シャワーでお風呂を済ますこともでき「節水」につながりますが、この状況では、エコシャワーを採用していても意味がない。
この時期は、「空調の切り替え時期」で、宿泊した4日間のうち、最初の3日間の空調は冷房、4日目は暖房でしたが、「切り替えたこと」の案内がなく、残念。
4泊しているのだし、「寒い」と苦情を言っているのだから、フロントでの鍵の受け渡しの際に、「今日から暖房に切り替わりました」といった案内をしてほしかった。
ホテルが環境に取り組むことは立派ですが、ホテルマンとしてのおもてなしの気持ちがないと、なんだか、残念で、環境よりも品質マネジメントに取り組んでほしいものだなぁ、と個人的には思った出来事でした。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ461号より)
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