2016年1月14日付の朝日新聞デジタルが、
「障害者が五輪で健常者に勝ったら、金メダリストになれる? なれない? そんな議論を呼ぶ実力者がいる。マルクス・レーム(ドイツ。27歳)。
障害者陸上男子走り幅跳び(切断など)の世界記録保持者だ。
ひざ下が義足の右足で踏み切る。称賛の一方、「技術ドーピング」という声もあり、五輪出場には障壁が立ちはだかる」
と報じていました。
2015年10月のニュースで、ドイツの障がい者の選手が、2008年北京五輪(8m34)、2012年ロンドン五輪(8m31)を上回る8m40を出したことは知っていた。
(ちなみに、日本記録は8m25)
今回の記事で注目したいのは、
「国際陸連が昨年、義足が有利に働いていないことを選手自身で証明するのを参加条件とした」
という点である。
ロンドン五輪では、400mにオスカー・ピストリウス選手(南アフリカ)が義足のランナーとして初めて五輪に出場したが、その時は選手自身による証明義務はなかった。
国際陸連のこの決定がおかしな点は、
「選手自身で証明しろと言っておきながら、証明するための基準がない」
という点である。
百歩譲って、「義足が有利に働いていないことを証明するのは選手自身」だったとしても、基準を示さなければアンフェアである。
リオ五輪が直前に迫ってきて、証明費用に莫大なコストがかかることから、事実上「五輪出場を諦めなさい」といっているようなものであろう。
個人的には、障がい者が健常者の大会に出て、多くの人に障がい者スポーツを知ってもらうことは重要だと思う。
ただし、義足など装具をからだに装着するものは、障がい者の参加ルールを決めるべきだと思う。
例えば、走り幅跳びの場合、義足のレーム選手の助走スピードと踏み切った後のスピードの比較を健常者と比較すると、義足のレーム選手の踏み切った後の失速が少ないという。
つまり、義足がバネのような役割を果たしているといえると思う。
したがって、例えば、
◆義足をつけた側の足で踏み切らない(片足切除の場合)
◆義足の反発係数をある水準以下に設定された義足にする
といったルール作りが必要であろう。
レーム選手の努力がはかりしえないすごいことなのはわかる。
しかし、薬物ではない「技術ドーピング」と言われることは、競技によっては明白であり、健常者との公平性を担保するルール作りが必要だろう。
ただ、冒頭でも書いたが、国際陸連の決定は、このリオが迫ったこの時期としてはアンフェアで、個人的には、参考記録扱いでもいいので、出場を認めてもいいのではないかと思う。
なんといっても、パラリンピックより、五輪の方が、注目度が高く、世界中が注目し、障がい者スポーツへの理解と認知度が飛躍的に向上し、私が提案したような「障がい者が健常者の一般大会に参加するべきルール作り」も進むことは間違いないだろう。
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