2015年11月15日に開催された「さいたま国際マラソン」の日本人トップは、吉田香織選手が自己記録を約5年ぶりに更新する2時間28分43秒で総合2位に輝いた。
ちなみに、日本人2位は総合4位の渋井陽子選手で2時間31分6秒。
2004年に2時間19分41秒を出した時の力強さはないが、ひさびさのトップ争いを一時演じたことは、マラソンファンとしては、まだ競技を継続してもらえそうで嬉しい。
吉田選手とは、ラン仲間と皇居を一緒に走らせていただいたことや食事をご一緒させていただいたことがありますが、気さくで、テキパキとした言動と行動で、接しやすい方です。
客観的には、リオ五輪選考対象者としてのアピールは弱いタイムですが、もし、選ばれたら、心から祝したいです。
月並みですが、今回の日本人選手の走りに対して、陸連は「物足りない」とおっしゃっているようです。
ただ、毎度のことですが、五輪(あるいは世界陸上)の選考レースをタイムを基準にするなら、女子の場合、11月開催のさいたま国際(以前は横浜国際女子)、1月開催の大阪国際女子、3月開催の名古屋ウィメンズとなると、タイム的には、11月開催のさいたま国際が一番不利です。
その理由は、マラソンをする人なら実感がありますが、1月開催の大阪国際女子や3月開催の名古屋ウィメンズは、確実にスタート時点の気温は10℃を切ります。
しかし、11月開催のさいたま国際(以前は横浜国際女子)は、昨日の場合で15℃、そして最高気温は22℃です。
一般的にアスリートが競うマラソンレースの場合、気温が13℃を超えるとパフォーマンスが落ちるといわれています。
僕の場合は、感覚的には、気温5℃ぐらいがちょうどよく、10℃を超えると、タイムはベストより5分程度落ちます。
ちなみに、30℃を超える夏のマラソンであれば、一般的には、フルマラソンで20分程度タイムが落ちます。
ただ、中には、「暑さ適正」があるランナーがいて、夏のマラソンでもベストタイムとの差が「5分以内」というランナーが、稀にいます。
つまり、五輪選考レースを、
◇タイム
◇レース内容
で比較するのなら、11月のさいたま国際は、気温が大阪や名古屋と同条件の12月に開催すべきです。
ただ、タイムではなく「夏マラソンとなるリオ五輪で勝てる可能性の高い選手」を選ぶのであれば、「北海道マラソン」など夏レースの実績を加味するべきです。
そうした点で考えると、今回日本人トップとなった吉田選手は、プラス評価として「夏に比較的強いランナー」です。
アトランタで銀メダルを獲得した有森裕子選手も、タイムだけなら、当時微妙でしたが、「暑さに強いこと」が評価されました。
個人的には、こうした「暑さ適正」を加味した評価軸にしなければ「五輪で勝てる選手」は適切に選べないと考えます。
それから、2015年11月15日付の共同通信が、
「さいたま国際マラソン
で、選考レースとは別に、4時間以内に完走できることを参加資格とした一般の部も実施された。
ただ完走率は男子が73・57%、女子が56・16%で、男女合計の完走率で最低でも94%を超えている東京マラソンと比べると低い結果となった。
制限時間が東京より3時間短いことが一因に考えられる。
大会事務局の担当者は「意外と低い。参加者の年齢や走力がどうだったかを含めて今後検証
したい」と話した。」
(上記は記事から引用)
ということを報じていました。
この結果について「検証が必要」と言っていますが、私は「当然の結果」と思います。
記事では、「東京マラソンのように7時間制限なら完走率は上がった」と言っていますが、確かに、制限時間が伸びれば、完走率が上がるのはあたり前ですが、これも「11月開催のマラソン大会」ですから「暑さ」が関係しています。
今回、「一般の部」は、一応、持ちタイムが「4時間以内」(俗に言うサブフォー)でないとエントリーできなかったことになっています。
したがって、仮に、「サブフォーがベストタイムで、4時間を超えるレースが殆ど」というランナーがエントリーしていたら、完走は無理です。
また、「4時間の持ちタイム」ですが、「いつ出したか?」ということも大きいです。
たぶん、多くのランナーの持ちタイムベストの大会開催時期は、12月~3月開催の大会に集中していると思います。
私のように、季節に関係なく、1年中「フルマラソンを走る」とよーくわかりますが、体調、トレーニング内容が仮に「まったく一緒」であっても、前述したように、夏のレースと冬のレースではタイムが20分は違いますし、気温が中ぐらいの11月の内地のレースであっても、ベストから10分~15分程度遅いです。
したがって、「一般の部」の参加基準を「サブフォーの部」にするならば、制限時間を「4時間きっかり」にしていたら、スタートロスタイム(スタートラインを超える時間)も後方スタートだと5分~10分はあったでしょうから、実質、冬のレースでの持ちタイムで申請しているのであれば、「3時間30分」程度の持ちタイムが無いと、完走は難しいでしょう。
だから「完走率が低い」のはあたり前です。
埼玉県は、警察が「4時間以上街中の交通を制限することに許可を出さなかった」とも言われています。
そうであれば、「完走率が低いこと」を「11月開催の大会であるから低くて当然」と割り切るしかない。
あるいは、制限時間を「4時間」とするならば、「持ちタイム」を「3時間45分以内」とするか、あるいは、スタートロスタイムを少し警察も考慮していただいて、関門封鎖時間を、10分程度緩くしなければ、完走率が上がることはまずない。
ただ、大会運営は、チャレンジャー部門と一般の部だけなら、6000人弱で、さいたまスーパーアリーナを発着とするならば、適正数であり、また運営も概ね良かった聞く。
「完走率問題」に関しては、主催者、関係者、警察などの協議で検証すると思われるが、一般のしがらみのない市民ランナーを検証メンバーに加えれば、そのあたりの事情は、年に10~50程度のマラソン大会に参加しているランナーは多く、「当たり前すぎる意見」が収集でき大会運営に役立てられると思う。
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