環境経営に数年取り組んでいる会社に訪問するといわゆる「省エネ活動は、数字的に、もう頭打ちになってしまいました」という企業担当者の悩みをよく聞く。
走いうときは、「単なるオフィスエコだけではなく、本業(その企業が提供する製品やサービス)を通じた、企業の本来業務に関わる部分で環境影響考えて取り組んだらどうですか?という話をするのが、一般的であろう。
ただ、例えば「節電」に関して、製造業など事務所以外で設備稼働に関する消費電力が多い会社や、事務活動が種でも大企業で電力の総使用量が相当量に多い会社であれば、「以下のようなことをもうやりつくした」ということでなければ、まだまだ、「数字的に頭打ちになりました、やることはやり尽しました」と胸をはるのは早いらしい。
具体的な視点はいくつかあるが、代表的な視点を以下に挙げてみたい。
(注:小河SDコンサルティング資料より引用)
《電力ピーク対策》
事業用の電力計算の詳細は省きますが、基本的な考え方としては「節電することにより契約電力を低減して基本料金を削減する」ことが重要だ。
節電対策へのアプローチは、3つあり、
1)カット(ピーク使用量を減らす)
→事例:デマンド監視装置の活用、空調設備の間欠運転導入、設備の高効率化など
2)シフト(ピーク使用量を別の時間帯に移す)
→事例:設備稼働時間の調整、蓄熱システムの導入、蓄電池の導入など
3)チェンジ(消費電力を燃料や熱エネルギーに替える)
→事例:コージェネ設備の導入、自家発電の導入、ガスヒートポンプの採用など
《固定エネルギーと変動エネルギー》
エネルギーには、設備を稼働させれば自動的に生じる「固定」部分と生産数量や来客数など活動量によって変化する「変動」部分がある。
この「固定」と「変動」部分について、
1)固定エネルギーの変動化
→例:非使用時の設備停止
2)固定エネルギーの削減
→例:高効率照明の導入
3)変動エネルギーの削減
→例:節水コマの導入
《省エネ対策の3ステップ》
自社の設備の耐用年数や使用状況を捉えて、効果が大きく、実施しやすい対策から実施していくのが基本。
1)運用改善(設備稼働方法、作業方法の見直し)
→事例:空調稼働時間の見直し、照明の清掃、エアー漏れ防止、内段取りの外段取り化など
2)設備付加(既存設備に付加・改善を行い効率を向上)
→事例:インバータ制御の導入、配管の断熱強化、ドレン回収装置の設置など
3)設備・工程変更(現状方式の大幅な見直し)
→事例:高効率照明への更新、製造プロセスの変更、複数工程の統廃合など
上記に挙げた事例は、ほんの一部であるが、「省エネ」ひとつとっても、こうした点をやり尽したうえで「もう取り組む余地はありません」といわないと、実は、まだまだ見落としている対策や視点があるのだ。
要は、改善の基本である「無駄に動いている部分はないか」「過剰に動いていないか」「もっと効率よくできないか」という観点で省エネにアプローチすることがポイントなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ438号より)
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