若干、旧聞に属する話であるが、10月の初旬に、AGF(味の素ゼネラルフーヅ)が、2014年11月26日に公開したコーヒーブランド「ブレンディ」のWEB限定ムービー「挽きたてカフェオレ『旅立ち』篇」が、「差別的表現を含む」として日本で大炎上しているという報道が各ネットニュースで流れました。
この報道を目にしたとき、わたしは、たまたま、2014年にAGFのWebで公開されたこのムービー(CM)を見ていたので、「そんな、差別的な内容だったかなぁ」と思い、あらためて、ユーチューブで動画を探してみてみました。
見ればわかりますが、このCMでは、「牛」を高校生として擬人化して、卒業式風にしている。
卒業式では、牛たち(高校生)の進路が、校長先生より、動物園や闘牛場、ロデオパーク、食肉加工場などが告げられ、悲喜こもごものシーンが描かれている。
主人公の「ウシ子」は、内容から「乳牛」としての進路を希望しているようで、「特別な存在」になるために、必死に育ってきた姿が回想録風に流れている。
そして、決まった進路先は「ブレンディ」。
見事、希望の乳牛として、「ブレンディ用の乳牛」になれたのだ。
・・・とここまでは、全く問題ない。
炎上しているのは、ウシ子が、母親(母牛)に「あなたは特別なものを持っているから」と言われた後に、大きな胸をゆさゆささせて走る姿(擬人化しているので、体操着で走る姿)」が、「作者の感性を疑う」などのクレームがついているようだ。
確かに、取りようによっては、校長先生が祝辞的に「濃いミルクを出し続けるんだよ」というシーンや母牛が「特別なものを持っているから」といったあとに大きなバストを強調する映像は、ちょっと悪趣味と見えないこともない。
しかし、個人的には、見ていて全く不快感はない。
画像ではないが、日本のロックやポップスの歌詞には、このブレンディのCM以上に、「悪趣味な歌詞」はある。
例えば、いやらしい目線で無理矢理捉えれば、忌野清志郎氏の「雨上がりの夜空に」には、「おまえに乗れないなんて」「発車(発射?)できないなんて」という歌詞があるし、B’zの「juice」には「あついジュースふりしぼる ぶったおれるまでやりきる」なんて、放送コードに引っかかってもおかしくない内容である。
そもそも、1年以上前のブレンディのWeb限定のCMにクレームがついたのは、2015年9月にシンガポールで開催された広告大賞「スパイクス アジア 2015」のフィルム部門で銅賞を獲得したことで、英語版の字幕が付き、「逆輸入」する感じで、誰かがTwitterで発信したことで「炎上」につながったようである。
公開当初は、ほとんど、批判的な反響はなかったというから、「企業リスク的」に捉えれば、「公開時は全く問題がなくても、あとになってから炎上する」というリスクがあることも認識しておかなければならない事例ではある。
ただ、このレベルの演出で「炎上」し、それを企業が嫌がる(企業イメージを気にする)ようでは、これからの世の中、発想が奇抜な秀逸なCM作品は生まれにくいのではないかと思う。
AGFのような大企業であるから、CM作成に関しては、コンプライアンス面、倫理面など様々な角度から、議論されて、ゴーサインがでる社内手続きだったはずだ。
「こういうリスクもあるんだ」という反省材料とするのはいいが、独創性や挑戦的、実験的なCMが、一部の声を尊重しすぎて、作られなくなるようなことは避けてほしい。
話は少しずれるが、「騒音苦情」は、法律で定めた騒音以下であっても「近隣住民がうるさい」と感じれば、クレームになる。
これは、普通に生活していて、普通に耳に入ってくれば、規制値以下でも、企業は、対策を検討するべきだ。
しかし、今回のCMは、Webである。
テレビCMであれば、テレビを点けっぱなしにしていれば、自然と目にしてしまうこともある。
けれども、Web限定であるから、「みようと思ってアクセス」しないかぎり、目に触れるものではない。
つまり、企業としては、100人が100人とも「不快に感じないCM」など作りようがないし、作ったとしたら、味気もなく印象にも残らない。
企業側は、そんな点も考慮して、今後のCMなど映像作品作りをしていって欲しいと思う。
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