2015年のノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授の大村智氏さんの経歴が、これまでの日本の理科学系ノーベル賞受賞者とは違って、「異色」ということが話題になっている。
「異色」といわれる経歴は、
◇地方国立大学(山梨大学)学芸学部(教育学部)出身
◇都立墨田工業高校(定時制)で理科と保健体育の教鞭をとっていた
◇元スキーのクロスカントリーの国体選手
◇美術に対する造詣が深く女子美術大の理事長を務めたこともある
◇故郷の韮崎に美術館を寄贈し、温泉施設や蕎麦屋を経営(運営会社の代表は実娘)している
・・・・
などである。
大村先生の経歴は、知れば知るほど興味深く、今までマスメディアはなぜ、もっと取り上げてこなかったのだろう?と思えるぐらいである。
研究者は、コツコツ地道でないとできないな、と思うのは、大村先生の日常生活です。
常に、財布には、土壌を採取するためのビニール袋を入れて持ち歩いているという。
採取した土壌から、顕微鏡で微生物を探し、生産している化学物質を分離・培養するという地道な作業を研究者となった日からずっと続けている「習慣」なのだ。
この習慣のおかげで、大村先生は、これまでに53種類の微生物と480種類以上の化合物を発見したわけだ。
大村先生が、ノーベル賞受賞が決まった後の記者会見で「私は何もしていません。微生物が頑張ってくれたので、彼らに賞を与えてやってほしいです」と語っていたが、「役に立つ化合物を作るのではなく微生物から見つけてくる」のが研究だったので、そのような発言になったと思うが、川から「砂金」や「ヒスイ」を見つけ出すような気の遠くなる作業である。
スケールは全然違いますが、わたしは、仕事の資料作りやブログのネタ探しのために、常に手帳やデジカメを持ち歩いています。
使えそうなネタや気づきは、ふとした瞬間をはじめ、街を歩いていても、雑誌や新聞の中にもあるのですが、「あっ、これ面白いな、あとで、もうちょっと調べてみよう」と思っても、「思っているだけ」だと、すぐに忘れてしまいます。
だから、すぐにメモしたり、デジカメで撮影して、あとで調べられるようにしておくのです。
ただ、最近は、昔より「ロストしている気づき」も多いです。
それは、面倒くさがって、メモするのをサボっているからです。
(大村先生のいまでも続けている「習慣」を知り刺激を受けました)
しかし、ブログなど文章にまとめたいと思っていると、
◇気づきの感性が研ぎ澄まされる
◇好奇心が常に何事に対しても芽生える
◇他人の気持ちや状況を理解できるようになる
といった効用があります。
発見した化合物を薬品として開発し、莫大な特許料が入り、凡人なら「悠々自適な生活」を選択するハズですが、大村先生は、80歳を過ぎた今でも、土壌採取のためのビニール袋を持参しています。
「人の役に立ちたい」という強い想いと信念が、このコツコツとした地道な習慣を継続し続けている源泉なのでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ458号より)
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