現在、北海道釧路出身の若手代議士(選挙区は滋賀4区)が、金銭トラブルで、所属していた自民党を離党し、議員辞職の可能性もあるピンチに立たされている。
その若手代議士とは、武藤貴也代議士。
武藤氏は、釧路江南高校を卒業して上京し、フリーターを経験し、その後、東京外国語大を卒業し、京都大学大学院在学中に、当時滋賀県知事であった嘉田由紀子氏を支援する地域政党「対話でつなごう滋賀の会」の政策スタッフになって、2009年に公募で滋賀4区の自民党の公認候補になって今に至っている。
政治の世界では「出処進退は自分で判断すること」が常識だそうで、今後の去就が注目されるが、「金銭トラブル」が事の発端だけに、仮に刑事責任を問われない結果になったとしても、政治生命を絶たれるほどのダメージであることは、間違いない。
現在、テレビのバラエティ番組を中心に活躍される元自民党の代議士であった「薄口政治評論家」こと「杉村太蔵氏」も奇しくも武藤氏と同様で1979年生まれで北海道出身。
杉村氏は、「失言が多かった代議士」で、その失言がマスコミに面白おかしく取り上げられることで、一般に広く知られるようになった代議士であるが、振り返ると、自身の出処進退に発展しそうな問題は、4年近い代議士生活において、起こしていない。
この「ポイント」は、「金銭問題と女性問題」の2点に対しては、任期中徹底したという。
政治家としての「最大のリスク」を認識して対策をとっていたことが、「政治家として大した活躍もしなかったけどクリーンな人」のイメージが世間に定着し、タレントとして現在活躍できている源泉であろう。
話は少しずれますが、政治家や企業経営者の経歴や生い立ちを見ていると、
◇先を見通す力
◇行動力
◇人心掌握術
◇リスク管理能力
といった点が優れていると、長期にわたって、トップの座にいるのことができるのかな、と思う。
内閣総理大臣の在任期間では、戦後、長い方は、佐藤栄作氏(歴代2位、2798日)、吉田茂氏(歴代4位、2616日)、小泉純一郎氏(歴代5位、1980日)、中曽根康弘氏(歴代6位、1806日)が挙げられるが、上記に掲げた4点については、バランスがよかった。
逆に、「今太閤」として人気が高かった田中角栄氏(歴代17位)は、在任期間が886日と比較的短かった。
「人間ブルドーザー」「人間コンピューター」などといわれた行動力や記憶力に優れ、「日本列島改造論」に代表されるように「当時の先を見通す力」には長けていた田中氏であったが、「人心掌握術」と「リスク管理能力」には、弱さがあったことが「短命かつその後の凋落の大きな要因」であったと思う。
人心掌握術に関しては、意外に感じるかもしれないが、多くの経営者を仕事で見てきて感じるのは、「苦労人は、人間的魅力が高く、カリスマ性があっても、人を動かすのは下手」であるということである。
たたき上げの苦労人は、
◇なんでも自分でやらないと気が済まない
◇他人を信用しない
◇人を育てない
という特徴がある。
逆に、ぼんぼん。。。、要は、裕福な家庭や家柄の人は、常に周りに人がいて、誰かがやってくれるから、当然、「人を使う」のが上手い方が多い。
(もちろん、世間知らずす過ぎで、下々の立場に立って物事を理解できない、ぼんぼん、もいますが)
政治家にしても経営者にしても、「国や企業という組織を動かす」立場の方である。
「先見の明がある」、「行動力がある」ことは、もちろん大事であるが、「人心掌握し人をうまく使いこなし後継を育てる」、「リスクを認識し適切に対応する」といった能力も併せ持っていないと、長期にわたって組織を引っ張っていくことはできないのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ451号より)
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