「すき家のワンオペ」に代表されるように、ラーメンチェーン、丼ぶりチェーン、ハンバーガーなどファーストフード、激安居酒屋など多くのサービス産業が「危機的人材不足」といわれて久しい。
人材不足の原因は、「バイト代など給与面の待遇が悪い」「長時間労働」など「会社に対する不満」と思われているが、実際は「会社への不満よりも客のクレームが理不尽すぎてやっていられない」ということの方が主原因らしい。
月並みな考えだが、世の中がデフレとなり、モノやサービスが安価に入手できるような環境が当たり前になると「安いからこんなもんか」が通用しなくなり、いままで、「しょうがない」と消費者やユーザーが飲み込んできた不満が顕在化するのだと思う。
また、デフレといっても、原材料費や業務改善に人件費のカットは限界がある。
したがって、他のサービス業との差別化を図るためには、「サービス面の差別化」に走る。
つまり、消費者やユーザーの「痒い所に手が届くようなサービスが当たり前」になり、要は、消費者が「王子様、お姫様」扱いを受けているので、ちょっとしたことを、余計に不満に感じるようになってしまっているのだ。
また、「クレームの増加とインターネットの普及は相関関係がある」とも言われている。
以前なら「こんなことは客側が我慢する話」と思っていたような些細な話も、ネットでクレーム情報が共有化されるようになると、「自分も言っちゃおう」という心理状況になるのだろう。
ネットから拾った「とんでもクレーム(中には笑えるものもあるが)」の事例を下記に挙げてみたい。
《とんでもクレーム事例》
◆白焼きにタレがついていないと言われた
◆百均で、値段が分からないとクレームをつけている人がいた
◆立ち食いそば屋なのに「なんで椅子がないの?」と文句を言っているおばちゃんがいた
◆「『店内禁煙とか勘弁して。彼氏の機嫌が悪くなっちゃったじゃない!』という八つ当たりしている若い女性がいた
◆「酔っぱらい客がなんと、フロアに盛大にリバース。そのとき、その酔っぱらいが口にしたひと言が、『この店、トイレまで遠すぎるんだよ!』ですよ
◆ネギ玉牛丼注文したお客さんが、「ネギ入れすぎ! 交換して!」
◆ハンバーガー屋で、「チーズバーガーを頼んだのに、ダブルチーズバーガーが入っている」と文句を言っていた人がいた。そのほうが得なのに...
◆会員カード出して会計が安くなったら、「なんで安くなったんだ!」と怒っていた
◆100円ショップで他の店では88円で売っているとクレーム
◆このメニュー、この間までキャンペーンで安かったから無料にしろ
◆ドッグフードを犬が食べない
◆100円ショップで子供が迷子になるから託児コーナーを作れ
確かに、デフレが当たり前になり、価格競争を続けては消耗戦になるので、サービスの質を各サービス産業とも工夫を凝らして生き残りを図っているが、「なくてもしょうがないもの」「してくれなくてもおこっちゃいけないこと」までケチをつけたら・・・、う~ん、わがまますぎますね~。
やはり、状況をわきまえず、社会や生活の中にたまった不満を思わず吐き出しちゃっているのでしょうか。
サービス業の会社のマネジメントを指導する中で、クレーム担当の方に教えてもらったことがある。
それは、クレームを上げる人のタイプ別の対処も必要なのだと。
例えば、
「確信犯型クレーム」(例:毛髪混入クレーム)
→「DNA鑑定で確認します」といったような毅然とした態度が必要
「感情優先型クレーム」
→従業員がガマンできずに反論してしまうのは絶対にNG。
なぜなら、余計に不満に油を注いでしまうので、じっくり相手の話を最後まで聞く姿勢が大事。
人材育成を各社ともケチる傾向にある昨今ですが、こうした「接客力」に関する部分は、冷静な判断力を持つ社会人なら「教育で技術は向上する」ものである、
教育に金をかけないサービス産業は、生き残れないのではないかと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ433号より)
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