居酒屋大手のワタミが、介護事業の売却を進めているという。


2015910日付の読売新聞によると、ワタミは、

(以下、記事から引用)

「「和民」をはじめとした主力の居酒屋事業で客離れが進み、2015年3月期決算で連結税引き後利益が126億円の赤字になるなど経営不振に陥っている。
介護事業の売却で財務基盤を強化し、経営再建を図る考えとみられる。

ワタミの介護事業は、首都圏を中心に100を超える有料老人ホームを運営しているほか、デイサービスなども手がけている。」

という。


居酒屋業界の専門的なことはわからないが、消費者目線として、居酒屋選びのポイントは、

『メニューの質』と『サービスの質(接客)』

である。

フトコロ事情を考えて、激安居酒屋店がいろいろとある昨今なので、新ブランドのお店ができた時は、「とりあえず行ってみるか」という『目新しさ』も、居酒屋選びのポイントにはなるが、結果的には、「あそこのお店は、いつも笑顔が素敵だよな」とか「酔っ払い相手に、嫌な顔も見せずに流石だよな」とか「豚肉キムチ炒めはボリュームがあって安いし、そこそこうまいんだよな」という「メニューとサービスの質」が決め手になる。


しかし、ワタミは、主力の居酒屋の売り上げの落ち込みを、「客単価アップ」でカバーしようとした。

また、20153月から「メニューの刷新」つまり「リブランディング」を図った。

けれども、激安居酒屋の醍醐味は「安いけど、ボリュームもそこそこあって美味い」である。

しかしながら、明らかに、新メニューは「ボリューム」が落ちている。

また、仲間内に聞いても、接客レベルがとても高いとは言えない。


こうした状況は、利用してみれば、以前から利用していた人はすぐにわかるし、仲間内で「居酒屋はどこにする?」となった時に「ワタミは止めておこう」と敬遠することになる。


リブランディングや客単価アップの戦略は、方法論としては決して間違っていないが、居酒屋のポイントである「メニューと接客の質」という最も足元がぐらぐらしている状態では、本業の不振はまだ止まらない。

介護事業を売却したところで、そのあたりを見つめなおさなければ、「ワタミグループの復活」は遠い気がする。



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