「スカウト力」で思い浮かぶのは、わたしは、箱根駅伝でこの6年間に4回の優勝を果たしている東洋大学駅伝競走部である。
2015年1月の箱根駅伝で青山学院大の「新・山の神」こと神野大地選手が出てくるまで箱根駅伝の「山の神」であった柏原竜二選手は、高校時代は目立った選手ではなく、卒業後は就職を考えていたという。
しかし、実績を出している高校長距離界のトップクラスではなく素質を重視した選手獲得をする東洋大のスカウトに見いだされたわけだ。
「学生時代に実績を出していない選手の獲得」という点では、2015年に8シーズンぶりに広島に復帰した黒田博樹投手を見出したプロ野球の広島もそうである。
よく知られた話であるが、黒田投手は上宮高校では2番手投手だったし、大学は当時、東都大学リーグの2部所属の専修大学。
つまり、華やかな舞台には、まったく登場してこなかった選手であるが、広島のスカウト陣は、黒田投手の素質を見抜いたのだ。
もちろん、弱かった時代の東洋大や広島には、すでに結果を出している選手を取りたくても、選手の方が、見向きもしてくれなかった、という側面もあるから、「名前や存在を知られていない素質のある選手を探すしかなかった」という置かれていた環境も「スカウト力」が向上し磨かれた背景にあったのかもしれない。
話はガラッと変わるが、家具の製造・小売り大手のニトリ創業者の似鳥昭雄氏(ニトリホールディングス社長)が執筆・掲載されていた日経新聞の「私の履歴書」(2015年4月号)が終わった。
ニトリの成長も「スカウトした人材」の力が大きい。
当初は、スカウトした営業部長が横領するなどスカウトに失敗していた似鳥氏であるが、小売業から製造・小売り業になれたのは、スカウトした人材の力がなくては無理であっただろう。
わたしが、2007年5月26日のブログで取り上げた「土鍋鉛流出事件」。
http://blog.logcom.jp/?day=20070526
この再発防止対応には、畑違いの自動車メーカーホンダからスカウトした人材が大活躍している。
スカウティング力を磨くための能力は、
◇分析力
◇現状認識力
であろう。
つまり、「伸びる人材とは」をきちんと分析して素質のある人材を見出す力。
そして、組織の現状把握と将来必要になる人材とはどんな能力を持った人材なのかをきちっと認識する力である。
もちろん、豊富な資金力があれば、優秀な人が勝手に集まって来るし、優秀と思われる人を大量に採用することもできる。
しかし、結果的には、それでは、本当に組織に必要な人材を獲得し損なうし、宝の持ち腐れになる。
「スカウト力」は組織を効率的に向上させる重要な能力なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ435号より)
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