201593日付のデーリー東北によると、

「六戸町は2日、20代の元男性職員が大卒と学歴を詐称し、6年4カ月にわたって町役場に勤務していたことを明らかにした。町が卒業証明書の確認を怠っていた。元男性職員は8月10日付で依願退職している。」

と報じていました。


この件の概要を並べると、

◇男性は、大卒程度が要件となる上級一般行政職として20094月に採用

◇試験の際は卒業見込み証明書が提出されていた

◇勤務態度に問題があるため懲戒処分の対象となり、その過程で学歴を確認した

◇今年の6月中旬に卒業証明書の未提出が判明し、提出を求めたが元職員は申請中として放置

◇7月下旬に町が大学に確かめると卒業の事実がなかった

◇男性は退職届を即日提出

◇町の規定で学歴詐称が懲戒免職の事由に当たらないため受理し、退職金も支払った

◇学歴等を検討し、上級でなく短大卒程度の中級職員の位置付けだったと判断

◇上級と中級の給料差額分140万円余については、本人が自主返納した

という。


そもそも論としては、男性の学歴詐称が問題であるが、新卒者の場合、「卒業できなかった」ということは起きうるケースである。

また、中央省庁では、外務省の役人など「上級職として合格して採用されているが大学中退」というケースは聞いたことがよくある。

本人が、学歴詐称がバレて自主退職したから、この件は終了であるが、個人的には、学歴詐称や勤務態度に問題があったことはまずいが、採用試験に合格して、通常の仕事を仮にこなし続けていたならば、そのまま勤務を続けて良かったのではないかと思う。


町としての再発防止は、当然のことながら、卒業見込みとして採用試験を受け合格したものに対して、卒業証明書の提出を求めなかったのが問題であり、システムとして「提出を義務付ける」ことをまずは改善すべきである。


このニュースで気になったのは、「給料差額分の約140万円を自主返納」させた点。

町が「採用区分は実質中級職員であったから返納せよ」は、町民感情で考えれば当然であるが、「学歴詐称は懲戒免職に該当しない」のであれば、「上級職での合格・採用」、「上級職区分の業務の遂行」を主張すれば、返納の必要はなかったのではないかと思う。


また、単純に「上級職と中級職の給与の差額」を返納させているが、男性が支払った分の税金、例えば、所得税(国税)や住民税(市町村税)の差額調整はどのように考慮しているのだろう?と思う。

給与の差額返納ばかり目がいくが、給与をベースとして支払ったお金(税金)に対してはどうなっているのだろう?

この件は、町議会でも報告されたというから、町議会議員さんは、このあたりを突っ込んで質問して欲しかったな、と思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ453号より)


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