2015年8月22日に、陸上の世界選手権北京大会が開幕した。
最初の決勝種目となった男子マラソン
で、優勝したのは、19歳の新鋭ギルメイ・ゲブレスラシエ選手(エリトリア)で、タイムは2時間12分28秒。
日本勢は藤原正和選手(ホンダ)が2時間21分6秒で21位、前田和浩選手は(九電工)は2時間32分49秒で40位に終わった。
各メディアは、1999年から続いていた男子マラソンの入賞が1997年大会以来18年ぶりに途絶えた、と報じているが、前回大会までは、代表が5人いたことも大きいと思う。
「代表5人が大きい」というのは、「5人も代表がいれば、暑さ対応が強い選手がひとりぐらいはいた」ということである。
これまでの大会も、世界陸上の代表は、冬に開催される複数の選考レースで上位に入った選手の中から選ばれてきた。
ただ、その時々で「冬の選考レースで最も速かった選手が夏に開催される世界陸上で必ず入賞」してきたわけではない。
今回のレースが終わった後に、宗猛氏(陸連の男子マラソン強化部長)が、「(欠場した)今井選手を10とすれば、藤原選手は6、前田選手は3」と暑さに対する対応力を評価していたことが報じられた。
つまり、宗猛氏は、藤原選手は16-18位、前田選手は26-28位と想定していたわけで、そういった意味では「日本勢はそこそこ頑張ったわけで順当な結果」だったのだ。
要は、何が言いたいのかといえば、月並みな結論ではあるが、
◇夏に開催される世界陸上でいい成績を出させたいなら、暑さに強い選手を選ぶべき
◇暑さに強い選手を選ぶべきなのだが選考レースは冬に開催されるレースという問題がある
ということなのだ。
選考レースを、冬にして、しかも、複数のレースを「選考レース」にするのは、冬のレースに協賛するスポンサーなどの絡みがあるのだろう。
だから、冬のレースで代表を選ばなければならないのに、その中から、暑さの耐性がある選手を選ばなければならない、という矛盾がそもそも生じているのだ。
代表を選ぶ陸連サイドからすれば「暑さにも強く、冬のレースでもタイムを出す」選手がいてくれれば、何の問題もないが、そんなことはなかなかない。
レベルは全く違うが、私も趣味でランニングをやっているのでわかるが、ランニングパフォーマンスの冬と夏の差が大きい、つまり、暑さに弱いランナーというのは、個人差でかなりあり、しかも、これは体質(暑さに強い耐性力)だから、後天的に、飛躍的に鍛えられるものではない。
今回の結果を受けて、リオ五輪の代表者は世界陸上で出なかったので、代表枠は3つある。
「リオ五輪は夏の大会だから勝負できないかもだけど、代表に選ばれてリオ五輪を走りたい」
と考えている選手にとっては、今回の結果は「朗報」である。
代表選考レースは、12月の福岡国際、2月の東京、3月のびわ湖毎日の冬レース。
前記した通り、「冬レースで夏開催の五輪で活躍できる選手」を選ぶという矛盾をはらんでいる。
したがって、これらの結果の後に、また、代表選考では、「タイムと暑さに強い弱いのひと騒動」が起きることは間違いないだろう。
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