2015814日付の日刊スポーツが、

「エッセイストの能町みね子さん(36)が、テレビ番組で、「オネエ」と位置付けられ、抗議している。出演はしていなかったが、2000年以降に活躍するオネエタレントの1人として名前を挙げられたことを知り、番組側に訂正を求めた。」

という記事を報じていました。



事の発端は、84日に放送された日本テレビ系バラエティー番組「今夜くらべてみました」で、。ボードで、芸能界で活躍している「オネエタレント」のリストに、能町さんが「2000年以降に活躍する1人」として名前と顔のイラストを掲示されていたというのだ。


能町さんは、間接的にそのことを知り、4日に

「私はオネエではありませんので日テレの人は訂正してください」

という趣旨のTwitterをツイートしたという。


能町さんは、ご存知の方も多いと思いますが、ここ数年、テレビのトーク番組でよく見かけるエッセイストさん。

ネットに掲載されている経歴情報によると、19793月生まれで、東京大学を卒業して、性同一性障害と認定されていたが、戸籍上は男性であるが「OL」として勤務していたという。


その後、20071月に(おそらく27歳の時)に、タイで性別適合手術を受け、その3か月後に家庭裁判所から、戸籍変更が認められた。

つまり、

◇オネエという表現は、差別に受け取れる

◇割り切ってオネエを受け入れている方もいるが私は違う

というのが能町さんの主張である。


能町さんの主張は、ごもっともで、「性同一障害」を「病気」と捉えるならば、能町さんの場合「オネエ」をキャラにしていたわけではない。

物理的には

「戸籍上の性別が男性であった時期に女性の姿かたちふるまいを装っていた」

のは、性別適合手術を受けるまでの時期にはあると思うので、それを「オネエ」と定義すれば、日テレが主張するように「オネエ」なのかもしれないが、「オネエを売りにしたわけではない」という自負がある方にとっては「ひとくくりでオネエ扱い」されることには、相当の抵抗感があるのは当然だろう。


それと、能町さんの今回の件で興味深いのは、交渉術である。

日テレ側は、「事情を説明したい」旨のメールが、能町さんがツイートした2日後に届いたというが「私1人に大勢で来られても丸め込まれる」として面会を断り、メールでのやり取りを要望した点である。


交渉ごとは、誰でも経験があると思うが、丸め込もうとする側が多勢であると、「聞き役」や「まとめ役」などの役割で交渉できる。

相手が感情的になれば、「威嚇」や「嫌味」をわざといって、混乱させたり、もういいや、と諦めさせることができるからだ。

能町さんは知的な方であるが、感情を出させる作戦に持ち込み、丸め込まれる可能性は、「1人対複数」の場合は、大である。


私の経験でも、頭で考えているときは、

「よし、この論理と話のスジ書きで相手と話を詰めよう!」

とある程度、自分の主張を通せるはず、と自信がある場合でも、相手側に(態度は紳士的であったとしても)取り囲まれると、事前に抱いていた展開が崩れ、気づくと根負けしていることがある。

こちら側に、もうひとり、「助太刀」してくれる人がいると助かるのになぁ、と思ったことはしばしばである。


能町さんの場合、日テレからの仕事もあるので、「感情に持ち込む作戦」に出てこられたら、確かに、冷静さを失い、それこそ「丸め込まれる」だろう。


話を元に戻すと、この「オネエ論争」の結末に注目したいし、交渉術という点では、わたしたちも参考にすべき点があるニュースである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ450号より)



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