サラリーマン時代に、「カスタマーサービス」系の仕事を少ししたことがあった。

以前のブログでも触れたことがあったが、その時の経験則でいえば、

「苦情がひとつあれば、その10倍はあると思え」

は、「サービス業には、当てはまらないこともあるな」

という感想だった。


「苦情がひとつあれば・・・」の話は、よく、品質管理の世界では、常識のように言われる話である。

おそらく、工業製品系のモノであれば、その法則は当てはまるケースが多いだろう。

しかし、サービスの場合は、「サービスを供与された側の感じ方」が苦情になるケースが多く、要は「人によっては苦情になる場合とならない場合」がある。


例えば、塾の講師が、スパルタ式教育者だった場合、生徒や親御さんにとっては、

「理想の教師」

と、捉えるケースもあれば、

「劣等感をあおるだけで最悪の教師」

と受け取られるケースもあるだろう。


したがって、アンケート調査や顧客満足度調査を担当したときに強く感じたのは、

「ある顧客から低い評価が付いていても、状況やその原因をちゃんと調べずに単に評価が低くてダメだと考えてしまうと誤った判断になる」

ということだった。


少し話は変わりますが、201577日の「withnews」を見ていたら、

「ジャポニカ学習帳、昆虫写真を限定復活 人気投票したら断トツの1位だった」

という見出しの付いた記事が報道されていました。


この報道によると、

◇発売元のショウワノートが通販大手「アマゾン」と共同で実施した表紙の人気投票の結果、上位のほとんどを昆虫が占めた

◇選ばれた表紙はアマゾンで限定販売される

◇昆虫写真は、教師や親から寄せられた「気持ち悪い」という声があり、2012年から使われていなかった

◇人気投票は、発売45周年を企画して428日から615日まで実施された

1970年代、80年代、90年代、2000年代という四つの年代ごとの代表的なノート20冊ずつをアマゾンのサイト上で紹介し、復刻してほしいものに投票してもらう形式だった

◇投票の結果、各年代の1位はクワガタ、カブトムシといった昆虫が独占した

◇四つの年代の各1位~3位である計12点のうち10点が昆虫という結果になった

という。


この記事を読んで、「やっぱりなぁ」である。

発売元のショウワノートは「ユーザーからの昆虫の表紙は気持ち悪い」との声が、年々増えるにつれて、昆虫の表紙を止めてしまったが、個人的には「世の中の感じ方が多様化し、不満がある人の声は大きく取り上げられ、満足している人は黙っている」という傾向があるので、「昆虫写真の表紙廃止は、多くのファンを残念に思わせる誤った判断ではないのかな」と思っていた。


もちろん、ショウワノートが「少数派でも気持ち悪いと感じる人がいるならば一般販売はしない」というポリシーなら話は別であるが、仮に、

「昆虫の表紙を嫌がる苦情がある」→「世の中の大多数の声である」

と考えたのなら、それは、やはり、間違えなのだ。


ビジネスをしていれば、苦情はもちろん、「顧客の声(苦情、要望、お褒めや問い合わせ)」に

敏感になるが、それが大多数の声であると必ずしも短絡的に捉えてはならないのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ445号より)



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