組織の「品質マネジメント」に関する国際規格(ISO)が、2015年中に改訂される。
一般的には、大きく変わることは、「リスクベース思考」でマネジメントシステムを構築する点。
つまり「組織の状況の把握」「リスクと機会の明確化」「リーダーシップ」「事業への統合」といった点が焦点となる。
したがって、例えば、
「組織の状況の把握」であれば、組織の概要を記したものに加えて、
→SWOT分析(強みや弱み、脅威や機会)的な結果
→ファイブフォース分析的な結果
(注:ファイブフォースとはその業界を取り巻く5つの力で、「他社の競争力」、「サプライヤーの供給力」、「顧客の交渉力」、「代替製品やサービス」、「新規参入」について、業界に対してどのように働いているかを分析すること)
といった情報を、審査をする上で入手しなければ、その後に続く「リスクと機会」について(※リスクと機会も、想定されるリスクの一覧と、それを優先順位づけしたようなものは必要になると思う)の評価が適合性しているかどうか、審査側としては判断できないのではないかと思う。
そもそも、今回の規格の改訂のコンセプトが、「実際の事業」と「構築したマネジメントシステム」の「乖離」が「品質マネジメントシステムが効果的に活用されておらず、認証制度の信頼性を損なっている原因」と規格改訂サイドは捉えているから、「事業計画書」や「予算書」といった「リアルな経営情報」も、組織にお願いして見せていただく必要が「適合性評価」という観点からは、必要性が出てくると思う。
ただ、そうなると、「ISO規格によるマネジメントシステムの構築や審査を受けることは、経営改善のツールになる」と心底考えている組織(経営者)は、現状以上に、第三者の審査機関を信頼して情報開示してくれると思うので良い。
しかし、「審査はあくまでも外部に見せられる審査手続きをクリアするために用意した表面的な文書や記録でよく、それ以外の経営情報は極力見せたくない」と考えている組織とは、審査の中で、相当摩擦を生じるのではないかと思う。
う~ん。。。
今回の規格の改訂は、本質的には当然だし、そうでなければ認証していることを取引の条件として効果的に活用したい発注者側にとっては福音であるが、「第三者にうちの経営情報なんか見せたくないし、見せたところでわかりっこないから見せられる情報だけで、審査はお茶を濁しておきたい」組織との間で、審査する側は、かなり悩むことになるであろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ424号より)
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