「環境経営」に取組むサービス業がどんどん増えている。

「環境経営」というと、一般的には、まずは、下記の4つに取組むことがポイントとなる。


1)規律レベルの環境負荷削減  

(例:使用していない部屋の電気をこまめに切る、手洗いの際に水を出しっぱなしにしない、廃棄物の分別の徹底、アイドリンクストップ など)


2)ミスやロスの削減による環境負荷低減

(例:クレーム処理回数を減らすことに基づくエネルギー等の削減、やり直し作業の削減による資源の使用量削減 など)


3)お客様や取引先の環境負荷低減や法規制・緊急事態などリスクを低減する商品やサービスの提案

(例:顧客設備の事故・故障の削減、建物毎のリスクの想定と対策提案など)


4)環境に関わる社会的貢献

(例:近隣の清掃活動、植樹活動、環境活動団体への寄付 など)


しかし、たいていの「サービス業」では、上記の1)と4)の活動(いわゆる「単なるエコ活動」中心)が「環境経営の取組み中心になっている」のが現実である。

先日、ウェブサイトをチェックしていたら「大阪弁護士会」のウェブサイトが目にとまりました。

「環境経営システム規格」であるエコアクション21を取得しているのだ。

感想としては「へぇ~、頑張っているなぁ」と思いましたが、同時に、「省エネタイプの事務所設計」や「事務所の節電」が活動として紹介されており、「弁護士会の役割自体を通じた取組みもされているのかな」と思いました。


サービス業の場合、製造業と違って、資材や副資材など原料の大量購入や加工もほとんどないから、家電製品や室内空調設備以外の大型設備もない。

そのため、どうしても「環境経営」というと「空調設備や家電設備、OA機器」に伴う省エネ・省資源や事務所から排出される廃棄物の分別やリサイクル推進がメインの活動となる。


しかし、現実的には、「自らの本業を通じた活動」で「環境への取組み」をするべきなのである。

以下に【サービス業における環境目標の設定例】を挙げてみる。

◇エコに繋がる設備、機器、車両等の販売件数増加

(設備管理業、家電OA機器販売、自動車ディーラーなど)

◇顧客の業務特性にマッチした環境負荷の提案件数(全業種)

◇不良在庫の削減(卸売業、小売業など)

◇居抜物件の取扱件数、契約件数向上(不動産業)

◇顧客施設における警備リスク箇所の提案件数(警備サービス業)

◇エコ資材の使用件数向上(設備管理業、その他サービス業一般)

◇リフォーム物件の件数向上(不動産業など)

◇業務効率、作業効率の向上(全業種)

◇顧客建物の設備事故・故障件数の削減(設備管理業、自動車修理業)

◇設備修理の工数の短縮(設備工事業)

◇ビルのエコ診断件数向上(ビルメン業)

◇顧客の事故、故障トラブル件数の削減(保険サービス、自動車販売など)

◇エコ安全ドライブや無事故推進運動といった講習会開催の増加 (サービス業全般)

◇ビルのリニューアルによる長寿命化の件数の向上(不動産業など)

◇環境関連法規のわかりやすい説明会の実施回数(弁護士会など)

◇環境講座数・受講者数、環境に関する論文件数の向上(大学、研究機関など)

◇事故、故障の未然防止に関する情報提供の向上(全業種)

◇エコアクション21など環境経営に取組む企業数を増やす(全業種)

◇クレーム件数の削減  (全業種)

◇書類の作成ミス件数削減(全業種)

◇業務手順書の作成・改訂件数向上(全業種)

◇スタッフからの改善提案件数の向上(全業種)

・・・


上記に挙げたものは、一部の事例であるが、多くのサービス業では、なかなかそこまでの取組みとなっていない。

「環境経営への取組みが本質的なもの」になって欲しいと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ342号より)



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