2015年7月15日の夜のニュース番組を見ていたら、安倍総理が、新国立競技場の建設計画を見直す検討に入った、と報道されていました。
安保法案が特別委員会を半ば強行採決で通過した日のニュースだったので、まぁ、冷静に捉えれば、国民の感情が「自民党は、ちょっとやりたい放題過ぎない?」と、石破地方創生担当相的に言えば、「自民党は政策よりも、何か感じ悪いよね」という雰囲気が高まってきたので、それを押さえる意味からでてきた「新国立競技場建設案見直し検討だろう」とあまり期待していなかった。
実際、半日経過し、16日の各メディアの報道を見ていても、政府は、建設案を見直すといっても、2520億円を2000億円程度にするという話だし、明らかに「見直したという既成事実を作り、お茶を濁しておこう」という考えがミエミエである。
新国立競技場に関わらず、一般的に、ダム建設など大型公共工事は、計画段階で4000億円と算出されていても、実際には、倍以上の費用がかかることもしばしばあり、東京五輪組織委員会会長の元総理大臣の森喜朗氏をはじめとした政治家からすれば、国民が1300億円の予算が、現段階で2520億円になり、多くの国民がびっくらこいているのに対して、完全に「よくある話だよ」と感覚がマヒしているのでしょう。
16日の午前中には、新国立競技場のデザイン案を決めた有識者会議の委員長だった建築家の安藤忠雄氏が記者会見を開いた。
会見を聞く限り、シロウトでもわかったのは、有識者会議の責務としては、予算が「1300億」という条件は設定されていたものの、実際に選定された「デザイン」で施工すると最終的に、いくらに収まるか、という点までの妥当性検討までの役割は、少なくとも有識者会議のメンバーには、持たされていなかった、という認識なのだろう。
一般国民からすれば「デザイン案選定の有識者会議=完成までの費用が1300億の予算に見合ったものか審議する場」と考えるが、現状は、そうではないのだ。
したがって、「デザイン選定の有識者会議」は、「新国立競技場としてふさわしいデザイン」を選ぶ有識者であって、「その後のこと(施工完了)は、知りませんので、上手くやってください」とのことなのだろう。
そう考えると、新国立競技場の発注者である「文部科学省所管の独立行政法人日本スポーツ振興センター」(JSC)の「設計・施工に関する建設計画プロセスがいい加減」、ということになる。
個人的には、莫大な費用が予想される現在のデザイン案は、ゼロベースで見直すべきだと思う。
もちろん、普通のありきたりなデザインの「新国立競技場」になるぐらいなら、ザハ氏のデザインを原型にした今の計画での競技場も見てみたい。
しかし、その財源を、TOTOなど本来のスポーツ振興に利用するハズの予算が競技場建設に持って行かれてしまうようでは、まったく意味がないと思う。
それにしても、仕事上、マネジメントに携わるものとしては、こうした公共工事の当初予算計画と実際のずれを国のシステムとして根本から改善してほしいと、常日頃思っているが、出来ないんだろうなぁ。
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