201579日付の毎日新聞によると、

「自民党によるゆうちょ銀行の預け入れ限度額を引き上げる提言を巡り、郵政民営化委員会(委員長・増田寛也元総務相)は9日、引き上げの可否などをパブリックコメント(意見公募)にかけると発表した」

と報じていました。


ご存知のように、現在の「ゆうちょ銀行」の預け入れ限度額は1000万円である。

「日本郵政」と傘下の「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命保険」の3社は、東京証券取引所に上場を正式申請しており、この10月にも上場するといわれている。

それを、自民党は「上場前の9月末までに2000万円、2年後までに3000万円まで引き上げる」という案を現在、提言しているのだ。


ゆうちょ銀行の預入限度額を引き上げる狙いは、選挙の際に集票マシーンとなっている「全国郵便局長会」からの要望が強いという。

表向きは、ゆうちょ銀行利用者から「退職金をゆうちょ銀行に(限度額を超えるので)預けられない」という苦情が多いということになっているが、自民党の本音は、利用者の声よりも、「全国郵便局長会」の要望に応えたい、ということだろう。


ただ、引き上げられると、あたり前であるが、民間の金融機関の経営を圧迫することは必至でしょう。

実際、今でも、キャッシュディスペンサーが「都市銀行」「地方銀行」「セブン銀行」「ゆうちょ銀行」とずらっと並んでいるATMコーナーをよく見かけますが、25日の給料日や月末、または休日の前の日などは、ATMコーナーにはよく行列ができていますが、明らかに「ゆうちょ銀行ユーザー」が多いです。

現在は、預金が1000万円を超えると、限度額を気にして、他行に預入していると思いますが、その心配がなくなるわけですから、今まで他行に預けていた分は、ゆうちょ銀行に確実に流れるでしょう。


もちろん、現在の限度額1000万円でも、1000万円を超えた預金は、自動的に「振替口座(民間金融機関の当座口座)」に入れられるので、実は、ゆうちょ銀行は民間の金融機関より便利です。

民間の場合だと、当座口座は別に開設しなければなりませんから。

ペイオフで保障されるのは「元本1000万とその利息」とは知られている話ですが、「利息が付かない当座や普通口座」も保障対象となっています。

ゆうちょ銀行の場合は、1000万円を超えると、自動的に民間でいう「当座口座」に入れられるので、その点でも便利です。


また、「潰れる心配」も、ゆうちょ銀行の場合は、限りなく低いと世間は考えるでしょうから、それも、民間金融機関からの乗り換えを促進することになり、限度額の引き上げを民間の金融機関が一斉に反対するのは当然でしょう。


自民党は、目先の「票」に目がくらんでいますが、全国の民間の金融機関からそっぽ向かれたら、それはそれで、選挙的にはデメリットな気もしますが、さて、如何なる結果になるのでしょうね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ445号より)



【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7
つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)