マネジメントシステム監査の仕事を長年やっていて、指導する立場にあると、この仕事に関する「向き不向き」は確実にあるよな、と思う。
一般的には、性格のパターンは、
「自分肯定、他者肯定」
「自分肯定、他者否定」
「自分否定、他者肯定」
「自分否定、他者否定」
という4つのタイプに分類されるが、監査員に向いているのは「自分肯定、相手肯定」の性格だといわれている。
監査員は、「何事も相手を肯定すること」からモノを見なければ、単なる「捜査型」のあらさがしになるし、また、自分のポリシーもなければ、すべて相手に迎合することになってしまうから、「自分肯定、他者肯定」が監査員に向いているといわれるのだろう。
ちなみに、ISO19011:2011という「マネジメントシステム監査の指針」という規格がある。
この規格では、マネジメントシステム監査を行う監査員が「備えておくべき個人的な資質」を規定している。
規格の「7.2.2個人の行動」に「資質」についての記述があるので、引用すると・・・
(以下引用)
監査員は,箇条 4 に示す監査の原則に従って行動するために必要な資質を備えていることが望ましい。
監査員は,監査活動を実施している間,次の事項を含む専門家としての行動を示すことが望ましい。
- 倫理的である。すなわち,公正である,信用できる,誠実である,正直である,そして分別がある。
- 心が広い。すなわち,別の考え方又は視点を進んで考慮する。
- 外交的である。すなわち,目的を達成するように人と上手に接する。
- 観察力がある。すなわち,物理的な周囲の状況及び活動を積極的に観察する。
- 知覚が鋭い。すなわち,状況を認知し,理解できる。
- 適応性がある。すなわち,異なる状況に容易に合わせることができる。
- 粘り強い。すなわち,根気があり,目的の達成に集中する。
- 決断力がある。すなわち,論理的な理由付け及び分析に基づいて,時宜を得た結論に到達することができる。
- 自立的である。すなわち,他人と効果的なやりとりをしながらも独立して行動し,役割を果たすことができる。
- 不屈の精神をもって行動する。すなわち,その行動が,ときには受け入れられず,意見の相違又は対立をもたらすことがあっても,進んで責任をもち,倫理的に行動することができる。
- 改善に対して前向きである。すなわち,進んで状況から学び,よりよい監査結果のために努力する。
- 文化に対して敏感である。すなわち,被監査者の文化を観察し,尊重する。
- 協働的である。すなわち,監査チームメンバー及び被監査者の要員を含む他人と共に効果的に活動する。
(引用ここまで)
「・・・資質を備えていることが望ましい」
「・・・行動を示すことが望ましい」
と英語に直せば、「Shoud(するべきである(推奨事項))」であり、「shall(しなければならない(要求事項))」ではないのが、ありがたい(笑)
とてもではないが、ISO19011の規格を満たすような「聖人君子」な人物は、極めてまれであり、規格が「Shall」であれば、99%の人が、監査員になれないことになってしまう。
私も含めて、監査員に従事する人間は、こういった「行動がとれるよう」日々精進することが肝要なのだ。
ある講習会で、その講習会の講師が、「相手を不安にさせないインタビューのやり方」を教えてくれた。
ひとつは、「メモの取り方」であり、もうひとつは「手の位置」である。
「メモ」に関しては、インタビューしているときは、とかく、記入しているメモを相手に見えないようにしてしまうが、敢えて、そのメモを「インタビューした人に見えるように書く」ことがポイントだという。
「手の位置」については、「相手に手が見えるようにする」のが心理的に相手を不安にさせないという。
確かに、インタビューした人のメモが全く見えないと、何を書かれているのか、不安になるし、手を例えば、テーブルの下に隠すとなんとなく、感覚的に不安になる。
こういった、些細なしぐさも「相手から情報を正確かつ着実に」聞き出す方法なので、監査員のふるまいとしても応用できる。
くせや習慣になっているふるまいも、ビデオに撮るなどして、見直すことも大事なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ412号より)
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