女優の市原悦子さんが、2015年5月22日にゲスト出演した「あさイチ」で「差別語を連発」したことについて、視聴者から擁護の声が続々と上がっているとJ-CASTニュース(5月23日付)が報じていました。
市原さんの問題の発言は、市原さんがナレーションを務めていた「まんが日本昔話」にまつわるエピソードでのこと。
市原さんは、「まんが日本昔話」を通じて、
「一歩一歩やっていくほかない」
「風が吹いたらいい季節だなあと感じるようになった」
とこの番組に教えられたことが多かった振り返った。
そして、一番好きな話は「やまんば」だとして、
(以下、市原さんの会話を引用)
「私のやまんばの解釈は世の中から外れた人。たとえば『かたわ』になった人、人減らしで捨てられた人、外国から来た『毛唐』でバケモノだと言われた人」
(引用ここまで)
と「世間から疎外され、山に住んでいた人たちが「やまんばの原点」になったと思う」と説明した。
すると、番組の終盤に司会の有働由美子アナが、
「さきほどのコーナーで『かたわ』『毛唐』という発言がありました。体の不自由な方、外国人の方を傷つける言い方でした。深くお詫びします」
と謝罪した。
この「市原発言」と「有働アナの謝罪」に関して、ネットには番組の対応を疑問視する意見が相次いだという。
記事によると、具体的には
「『当時差別された人』の文脈で使ってるんでまったく問題ないと思う」
「昔話の解釈にちなみ、あえて使った表現だろう。綺麗な表現に置き換えたら、本質が伝わらない」
「番組は見たけれど、悪意が無い分さほど気にならなかった」
など、あくまで「表現の一手法」「悪意はない」とする意見が多かった。
わたしも、この日の「あさイチ」を視聴していた。
単純に「ことば」だけ捉えれば、「かたわ」「毛唐」という「用語」は、差別用語とされ、放送業界では特に自粛している。
だから、番組を見ているときに、「かたわ」と市原さんが発した時は「あとで、NHKから謝罪コメントが絶対に入るだろうな」と思ったが、わたしも、ネットの声と同様で「文脈で捉えれば、「やまんば」の話を説明する上で使った言葉であり、発言自体は差別用語を助長させる意図もないし、全く問題ない」と思う。
したがって、NHKも単なる「おわびいたします」的謝罪ではなく、
「差別用語と捉えられる発言がありましたが、話しの流れとして使用しており、差別の意図は一切ありません」
とちゃんと説明するべきである。
「言葉」だけを捉えて「差別用語である」と考えるのは、記者会見でマスメディアが「都合のいい部分だけを切り取って報道する」のと同じ理屈であり、本質的ではない。
マスメディアは、今回の「市原発言」を含めて、もっと「本質的な捉え方」をするべきだ。
文脈など話の本質を捉えずに、視聴者から単に「差別用語発言がありけしからん」といった声(苦情)に、「はい仰せの通りで、謝罪します」はおかしいと思う。
これが、一般企業のウェブサイトや広報誌などであれば「とりあえず、謝っていた方が楽だし無難」という発想もあり得るかもしれないが、NHKをはじめ、マスメディアには、そういったくだらないクレーマー的な世間の声には屈せずに、ちゃんと「こういう目的での使用だからご理解ください」と説明していく姿勢が必要であると思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ439号より)
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