2015年6月4日付の産経新聞によると、
「航空自衛隊のヘリコプターと民間機2機が絡む那覇空港の離着陸トラブルで、国土交通省は4日、管制官の当時の判断や指示に「ミスはなかった」との考えを示した。一方、管制官のやり直し指示に対して着陸を実行した日本トランスオーシャン航空機側が「着陸を継続した方が安全と判断した」と話していることもJTAへの取材で判明。妥当性をめぐり主張の食い違いが続いている」
と報じていました。
この6月3日に起きた離着陸トラブルを整理すると、
◇滑走路で、離陸走行中の全日空機の前方上空を航空自衛隊のヘリコプターが横切った
◇全日空機は離陸を中止した
◇直後にJTA機が同じ滑走路に着陸し、全日空機の後方で停止した
◇空自ヘリは全日空機への離陸許可を自らへの許可と誤認した
◇国交省の担当者は、
→管制官が空自ヘリに待機指示を出した
→その後も全日空機が離陸するため、ヘリに離陸許可を出していない
→全日空機の離陸中止を確認し、JTA機に着陸やり直しを指示した
→全日空機に誘導路への避難を指示した
となる。
つまり、管制官は、「ミスの自覚はない」という。
ポイントは、
◇空自ヘリの「空自ヘリに対する離陸許可誤認」
と
◇JTA機への着陸やり直し指示のタイミング
ということになりそうである。
トラブル自体は、「重大インシデント」として、運輸安全委員会が原因究明と対策など調査報告書をまとめることになるので、その結果を待ちたいと思う。
現時点で、想像されるミスは、「復唱行為と確認が不十分だった」といえるのではないかと、私は予想します。
基本的なことですが、例えば、ビジネスシーンで、上司が、
「明日は7時からミーティングするから案内を出席者に出しておいてくれ」
といわれた時に、
「かしこまりました」
では、ダメなことは、社会人なら常識だ。
言わずもがなであるが、返事は、
「かしこまりました。ミーティングは19時からですね」
とするべきである。
もしかしたら、上司は、
「AM7時にミーティングをする」といったのかもしれないし、
「午後1時」(しちじといちじは聞き間違えが発生しやすい)といったのかもしれないし、
「PM7時」といったのかもしれない。
したがって、「復唱」が重要なのである。
今回のトラブルも、勝手な予想では、「管制官と空自ヘリのパイロット、全日空パイロット、JTAパイロット」という4者の間で、「復唱」とその確認が十分でなかったような気がする。
空自ヘリにボイスレコーダーがあるのかわからないが、解析すれば、ルール通りの復唱行為がされていたのか判明するだろう。
運輸安全員会の調査結果についてそのあたりを注目して待ちたいと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ440号より)
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