国の第三者評価制度として、「福祉サービスの第三者評価制度」という制度が日本の法律を根拠として仕組みとしてある。


この第三者評価制度の根拠は、具体的には、「社会福祉法第78条」に「福祉サービスの質の向上のための措置等」として、規定されている以下の2点の「努力義務」を補完する制度である(と思う)。

1)社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うこと、その他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立って、良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない。
2)国は、社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるよう努めなければならない。


ちなみに、第三者評価制度の対象となる福祉サービスは、保育所、乳児院、児童養護施設、自立援助ホーム、特別養護老人ホームなど範囲は広い。


この第三者評価では、主として、「福祉サービス提供体制の質」について専門的、客観的な立場から評価が行われます。
具体的には、
「福祉サービス提供体制の整備状況と取り組み」として、
◇法人、施設等の経営理念に基づき提供される福祉サービス内容
◇サービスの提供体制
◇福祉サービスの質の向上に向けての全組織的な取り組み
「提供する福祉サービスの内容」として、

◇利用者とのコミュニケーション等人間関係の側面
◇介護技術等の技術的側面
◇生活環境の側面
といった内容です。


この第三者評価を実施している知人に聞くと、対象法人では、概ね、この審査での指摘をホンネはともかく、良好な関係で前向きに捉えてくれているという。

やはり、第三者評価制度として、提供されている「福祉サービスの質の向上」を目的として評価が行われるため、「法人の経営状況についての評価は行わない」という点が、審査される側との摩擦やトラブルを生まない要因となっているのだろう。


品質マネジメントシステムの国際規格(ISO規格)が、2015年中に改訂されるが、この中では「品質マネジメントシステムと事業の統合」「組織の状況を踏まえたうえでのリスクと機会の認識」といったことが強調されている。


つまり、品質マネジメントシステムの第三者評価(ISO認証制度)では、「対象となる製品・サービスを生み出すプロセスとして組織体制の質」を審査するわけであるが、今までの認証制度の歴史から得られた反省を活かして、場合によっては、組織のリスクとして大きな経営資源の状況や財務状況までもが、審査の中でインタビューを受けることになる。


これは、当然のことなのではあるが、第三者評価を受けるメリットとして、例えば、

◇提供している製品やサービスの質について改善すべき点を外部の目線で指摘してもらう

◇審査を通じて、スタッフの自覚や改善意欲の醸成と課題の共有化が促進する

◇第三者評価を受けることによって利害関係者からの信頼の向上が図れる

といった点があります。


ただ、「事業レベルとマネジメントシステムの統合」となると、経営者が決めた方針や目標の根拠や中期事業計画の根拠などを聞くことになり、要は、経営者が定めた事業戦略について、結果として「ちゃちゃ」を入れているとおもわれるような審査になるはずなので、経営者とっては、本音では「外部の人にとやかく言われるレベルではない」と感じる方も多くなるでしょう。

経営戦略を立てる上で「こういう視点が欠けていた」と反省してくれる経営者にとっては、今回の国際規格の改訂は福音であるが、「うるさいなぁ」と感じる経営者の方が多くなる予感がする。

つくづく、「審査員の力量が問われる認証制度」になるなぁ、と思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ426号より)



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