「最強の市民ランナー」
「公務員ランナー」
という代名詞がつけば、「埼玉県庁所属の川内優輝選手」、と今の時代、マラソンに関心のない方でもピンとくるだろう。
川内選手と言えば、
「大会を練習代わりにしている」
「毎週のようにレースに参加している」
「練習量が月間600キロほどである」
ということが有名である。
一般的な実業団のマラソンランナーであれば、月間走行距離は1000キロ程度といわれている。
また、駅伝レースがメインであることもあり、マラソンは、年に2レースぐらいである。
マラソン練習は、どうしても、長距離になるので、「給水」「タイムを計る」などサポートが必要になる。
そのため、「走る人」「走る人に水を渡す人」といったような体制が出てくるが、市民ランナーは、「自分ひとりで練習する」ことが多くなる。
したがって、給水場所などサポート体制がある「レースに参加する」のは、そういう点がフォローできるので、「大会を練習にする」という考え方は理に適っている。
わたしは、川内選手を、2014年は、「名古屋シティ」「とくしま」「千歳JAL」「釧路湿原30キロ」「ノサップマラソン」「千葉アクアライン」「福知山」「NAHA」「防府読売」などの大会でお見かけしましたが、つくづく感心するのは、「招待選手の役割」を真摯に考えている点である。
川内選手は、
◇すべてのレースで全力を出し切る
◇多くの他の市民ランナーと接する
◇記念撮影に快く応じる
◇前夜祭や記者会見など公式レセプションでは、ファンサービスに徹する
といったことを徹底している。
例えば、他の招待選手である実業団の選手であれば、「近寄るな」オーラを発して、記念撮影を拒否し、レセプションでは、挨拶したら即、帰る、という方も多い。
こういう態度に対して、川内選手は「間違っている」と強く訴えている。
つまり、招待されているということは、
「ファンサービスなどに快く応じてマラソンファンをさらに増やし、その大会やスポーツに貢献すること」
が役割である、と考えているのである。
この考え方は、強く共感できる。
わたしは、学生時代に、超マイナーなスポーツで、「日本代表メンバー」として世界選手権に出場したことがあるが、痛烈に感じたのは、「野球やサッカーなどメジャーなスポーツは、プロや実業団があっていいなぁ」である。
やはり競技人口が多く、人気スポーツであれば、トップ選手にはスポンサーもつき、テレビ放映もされる。
だから、プロを頂点としたピラミッドができる。
しかし、マイナースポーツでは、日本代表になっても、渡航費などは自腹である。
つまり、そのスポーツが、発展するためには、「多くの競技者がいる」、つまり「底辺拡大」が重要である。
川内選手は、「招待選手としての役割」を、「交通費を出してもらって、呼んでもらっているのだから、ファンサービスに努めるのは責務である」と強く認識しているのだ。
だから、招待選手なのに「記念撮影に応じない」「レセプションなどは最低限の挨拶をして帰る」という対応を取る選手に対して「間違っている」と噛みつく。
多くの大会で、川内選手とかわす言葉は、ひとことふたことではあるが、その中の言葉や彼の行動を見ていると、川内選手は「本当にマラソン界のことを真剣に考えている人格者」と気づく。
これからも、この姿勢で頑張ってほしいし、川内選手のそういう姿にあこがれて、次に続く最強の市民ランナーが登場することを願わずにはいられないのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ417号より)
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