企業から講演会や講習会の依頼を受けて感じることがある。

それは、「1回こっきりだけの講習会なら大手企業の方が楽だけど、類似した講演内容を2度、3度と頼まれる時は、中小零細企業の方が楽である」ということだ。


例えば、個人情報保護法が施行された時や内部統制やリスクマネジメントの必要性が叫ばれるようになった時に、こうした講習会を頼まれたとする。

1回限りの「入門セミナー的な話」であれば、大手企業であれば、たいてい、「おとなしく」聞いてもらえる。

正直、「質問が飛んでこなくて良かったぁ」と。


しかし、続編的な講習会を大手企業から2度、3度頼まれると、相手は、素知らぬ顔をしつつ話を聞いていても、実は、自分でいろいろと勉強して知識が備わってきているので、はなしをひととおり終えると、「いやらしい」質問がたくさん飛んできて、内心ひやひやする。


おそらく、1度目の時は、知識が無い、あるいは薄いから「変な質問をしたら恥ずかしいな」という気持ちがあるのだろうけれど、2度目以降は、本を買って自ら勉強したりして知識を蓄えてくるから、こちらも、「さらなる知識や経験」を積まなければ対抗できなくなるのだ。


一方、全てではないが、中小零細企業であれば、一度目は、逆に、苦労することが多い。

なぜなら、「一般的な解説的資料」を用意するだけでは、意味が伝わらないので、「解説的資料をさらに意訳した資料」を用意する必要があるのだ。


しかし、仮に、類似した内容の講習を再度頼まれる時は、前回資料プラスちょこっとアルファのの資料ですむ。

むしろ、プラスアルファを増やすと「先生、よく話が見えないから、前にしていただいた話をもう一度お願いします」と逆に、こちらとしてはグレードダウンした内容になっても、逆に喜ばれる。


話は変わりますが、東大京大のようなトップレベルの難関校を目指す大手予備校で講師をしている知人に「秀才相手の先生って教えるのが大変ですよね」と聞いたら、「そんなことないよ、教えるべき事さえ教えれば、あとは勝手に聞き手の方があとで自己学習して自己納得してくれるから教え方を工夫する必要なんてないもん」と言っていた言葉を思い出す。

もちろん、その言葉には「謙遜」も含まれていると思うが、いわんとすることもわかる気がする。


月並みであるが講習会は、相手の「期待」をくみ取り、読みとって、資料の作り方や話し方を工夫しないと相手の満足度は得られない。

つくづく、難しいものだな、と思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ385号より)



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