「日航機、十数秒で衝突の可能性…着陸やり直し」
という見出しの読売新聞の記事が、2015年4月6日付でネットに掲載されていた。
2015年4月6日には、モスクワ郊外のドモジェドボ空港から成田空港に向かった、日本航空のボーイング787が、飛び立った直後、車輪故障のため引き返し緊急着陸したニュースが報じられていたので「また、JALに問題発生??」と記事を見た時は、一瞬思った。
しかし、この冒頭の見出しの記事を読み進めていくと、今回の問題は「海上自衛隊の航空管制官」に瑕疵があったようなのだ。
記事によると、
◇徳島空港で4月5日に、滑走路上に作業車両があるのに海上自衛隊の管制官が着陸許可を出し、日航機が着陸をやり直した
◇日航機がいったん接地した地点から車までは1000メートル前後しかなかった
◇そのまま着陸していれば、車まで十数秒で達する距離で、運輸安全委員会は詳しい状況を調べている
ということだから、「日航のパイロットは大事故を防いだ」わけで、逆に、「さすが!」といわれても良い重大インシデントに対する対応だったわけであるが、冒頭に紹介した見出しからは、まるで、日航機に問題があるようである。
例えば、
「管制官の判断ミスにより着陸やり直し…十数秒で衝突の可能性」
「あわや大惨事…徳島空港で作業車両に衝突の可能性」
といった見出しで十分に伝わるし、ネットニュースユーザーは、注目してクリックする。
それにしても、日航機は、滑走路に接地後、すぐに離陸しというが、着陸時の速度は時速250キロ程度だったそうであるから、作業車まで1000mなら、14~5秒で到達する距離に迫っていたわけで、まさに「あわや大惨事」になるところだったのだ。
読売新聞の記事では、「作業車両はトラブルの20~30分前に管制官の許可を得て滑走路に入り、電球の交換作業中だった」というから、着陸許可を出した管制官と作業車両に滑走路への侵入許可を出していた管制官が一緒であれば、かなりの凡ミスである。
管制官試験は、聞くところによると、相当の記憶力も要求されるというが、この手のミスは「記憶力以外のミス防止の仕組み」も確立しておかなければ、まずいと思う。
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