東洋大学の桐生選手が、アメリカの100mの競技会で「9.87」という驚異的な記録をたたき出したことが話題になっている。

残念なのは、このときの風速が3.3mだったこと。

世界陸連では、公認記録として認められるのが風速2mまでだそうで、理論上は、仮に風速2mだったとしたら、「9.96」だったそうだ。


スゴイのは、一緒に走った選手のうち、9秒台のベストタイムを持つ選手が4人いたことで、その選手たちに勝ったというのは、価値があると思う。

今月開催される織田記念で公認の9秒台を出してほしいと思う。


ちなみに、フルマラソンでは、「風速」の条件はない。

コース基準が設けられており、主に、

◆競技種目に対する距離は、短くてはならず、0.1%まで長いことは認められます
→フルマラソンの場合なら、42mまで長くても公認される

◆スタートとフィニッシュ地点の直線距離が競技距離の半分以下でなければいけません

→スタートとフィニッシュの場所が同じでない場合は、フルマラソンなら、21km以上離れていないことが必要

◆スタートとフィニッシュ地点の標高差が競技距離の0.1%以内でなければなりません

→フルマラソンの場合、スタートとフィニッシュ地点の標高差が42m以内はOK

といった条件が定められています。


いま、話題になっているのが、2015315日に第1回大会として開催された「横浜マラソン」です。

この大会は、「参加費15千円」「参加定員25千人」と大きな大会で、コースの一部が高速道路を走ることが特徴的な大会であった。

また、高い案内には「日本陸連公認コースとして申請予定」と案内もされていた。


ある程度、「自己記録」にこだわって練習している市民ランナーにとって「陸連公認コース」と

なるかならないかは、参加動機やモチベーションを上げる上で、かなり大きな要素である。

男子の場合、エリートマラソンは、「東京マラソンのエリート枠(2時間21分以内)」「びわ湖毎日マラソン(2時間30分以内)」「福岡国際マラソン(2時間40分以内)」(いずれも現時点)であり、ここは、相当難しいが、別府大分毎日マラソンや防府読売マラソンのカテゴリー枠の区分に「3時間以内」というのがあり、これを目標としているランナーはおおい。

また、公認コースだと、「月刊誌ランナーズ」が発表するマラソンランキングの対象ともなる。


したがって、男子市民ランナーなら、達成者がフルマラソン完走者の約3%といわれる「サブスリー」(3時間以内で完走すること)がひとつの目標となるが、このクラスの走力であれば、100mで約25秒かかる。

つまり、実測値が公認基準ギリギリのプラス42mなら、約10秒余計にかかるだけであるが、かりに、「42.195キロより300m短い」といった場合は、115秒程度ゴールが早くなり、「サブスリーギリギリランナー」にとっては、大きな分かれ目となる。


さて、その横浜マラソンであるが、大会ウェブサイトによると、大会と同時に計測された実測値では、どうやら短かったようで、公認コースとして認められないという。

もちろん、大会案内には、「公認コース申請予定」とあったので、コースの一部が高速道路であることも考えると、事前に実測できなかったであろうし、公認されないリスクは承知していないとダメなのだが、タイムを狙っていた人にとっては、残念な結果である。


しかも、現在、ウェブサイトでは、

「大会当日に公認コース検定を行った結果、コースの補正が必要となったため、「横浜マラソン2015」は日本陸連公認コースの大会とはなりませんでした。」

との説明のみで、「なぜ公認コースとならなかったのか」「距離が短かったのか、長かったのか」もわからない状態で、これは、何とも説明不足だ。

http://www.yokohamamarathon.jp/2015/news/20150319b.html


ちなみに、同じく、コースの一部が高速道路である「ちばアクアラインマラソン」はウェブサイトで、

「公認コースではありませんが、大会当日に日本陸連公認計測員による計測を行いました。結果:42.195kmよりも22.78m長い、42.21778kmでした。」

とちゃんと実測値を公表している。

横浜マラソンの今後の対応に注目したい。



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