201538日に、茶道家の塩月弥栄子さんが老衰のため96歳で亡くなった。

「塩月弥栄子(しおつきやえこ)」さんと聞いても、ピンと来る方は、今では殆どいないかもしれない。


経歴的には、19601970年代に掛けて、NHKの「婦人百科」や「私の秘密」、フジテレビの「三時のあなた」にレギュラー出演していたが、この時代をリアルに記憶している世代は、アラ還世代であろう。

わたしは、「作法やマナー」に関するテレビ番組に出演されていた塩月さんのイメージが強い。

しかし、もっと強いのは、やはり大ベストセラーになった「冠婚葬祭入門」の作者としてである。


わたしの中では「冠婚葬祭入門」は、「ハウツー本」のはしりであると思っている。

冠婚葬祭入門が出版されたのは1970年(130日光文社カッパ・ブックス)。

発売5カ月で100版を超え300万部を売り上げ、シリーズ累計で700万部を突破した伝説のハウツー本である。


個人的な話で恐縮だが、中学生の進路指導の時に、進路指導の先生に「将来何になりたいですか?」と問われ、「考古学者か遺伝子工学を勉強したい」と言った。

進路指導の先生は、目を白黒である。

考古学なら「文学部」、遺伝子工学なら「理学部や農学部、医学部」になるが、日本の場合「文系と理系」というくくりで分けられてしまうため、全く受験科目が違って来てしまうからだ。


進路指導の先生は質問を変えて「なにをやってみたいか」と聞いてきたので「自分の本をいつか出版したい」と答えた。

おそらく、わたしの今までの人生の中で、小学生から中学生時代が一番本を読んだ時期であるが、「冠婚葬祭入門」や黒柳徹子氏の「窓際のトットちゃん」(約800万部)といった「大ベストセラー」に影響を受けて、「本を出してみたい」と思ったのだろう。


「冠婚葬祭入門」が出版された1970年といえば、核家族化が進み、今までは親から子へと口伝えで伝承されてきた「慣習や風習」といった「世の中の常識」が伝わらなくなってきた時代である。

特に、冠婚葬祭に関するハウツーは、今の時代ならネットを検索すれば、すぐに調べられる時代であるが、当時は、「知りたいけど誰に聞いたらいいんだろう?」というニーズは高かったため、爆発的なヒットとなったのである。


一般論として、「ハウツー本」は、「初心者を助けることを意図しており、そのハウツーの対象に対しても様々な議論を抜かして結論だけが記述」されており、「なぜそうなるのか?」というプロセスがわからないので、「付け焼刃的で身にならない本」と評する方もいる。

しかし、情報があふれている現代社会においては、「結論だけ知っていればいいこと」も多い。

ただ、現代では「結論だけ」なら「ネット検索ですぐにわかる」時代だから「単なるハウツーだけ」では、本は売れない時代で、ヒットさせるにはひと工夫が必要である。


通夜は16日午後6時、葬儀は17日午前11時に青山葬儀所で営まれるという。

塩月さんのご冥福をお祈りしたい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ428号より)


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