201535日付のFNNニュースによると、

『「ズンズン運動」と名づけた独自の整体を行い、生後4カ月の男の子を窒息させたとして、NPO(民間非営利団体)法人キッズスタディオンの元理事長の女が逮捕された事件で、ほかにも複数の乳児が、この整体を受けて、体調に異変が出ていたことがわかった』

と報じていました。


ニュースによると、

NPO法人の元理事長は、20146月に、大阪市淀川区の施設で、生後4カ月の男の子に対し、首を繰り返しもむなど、独自の整体を行い、窒息死させた疑いが持たれている

◇元理事長は、これまでに、この整体を10年間で6000人以上に行っている

2013年には、新潟・上越市で、110カ月の男の子が、この整体を受けた直後に死亡している

◇その他にも、この整体を受け、意識を失うなど、体調に異変が出た乳児が、複数いる

という。


元理事長の逮捕容疑は、「業務上過失致死」で、どうやら、逮捕のポイントは、「危険性の認識の有無」のようだ。

2013年の上越市の110カ月の男の子の死亡事故では、書類送検のみで不起訴となったが、今回の大阪の事故では、

◆警察は死亡とマッサージとの因果関係を立証するため複数の専門医から意見を得た

◆同様のマッサージで過去にも死亡している

といった点から「立件できる」と判断したようである。


わたしは、当初、この元理事長の逮捕のニュースを知った際に、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に対する違反行為での逮捕だとすると、厄介なことになるなぁ、と思った。


「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」では、「マッサージを業とできる者」は「医師」と「あん摩マッサージ指圧師」のみであり、無免許でこれらの行為を業として行ったものは処罰の対象となる、と定められている。


つまり、「整体」や「カイロ」「リラクゼーション」「足ツボ療法」「タイ古式マッサージ」といった「施術行為」は、「あん摩マッサージ指圧師」資格を保持しないものが施術をするケースが多く、「人の健康に害を及ぼす恐れがある」と認定されれば、処罰の対象になる。

したがって、「ズンズン運動」の元理事長も無資格者なので、「あん摩マッサージ指圧師・・・に関する法律」違反での逮捕かと思ったが、もう一歩踏み込んで「業務上過失致死容疑」としたのだろう。


わたしがこの逮捕を受けて「厄介」と思った理由は、この「ズンズン運動」が「あん摩マッサージ指圧師・・・に関する法律」違反となると、今や社会に根付き、多くの労働人口を抱える「癒し系サロンやベビーマッサージ業界」を大震撼させる事件になってしまうと思ったからだ。


マッサージ系業界も飽和傾向にあり、「ズンズン運動」のように「アトピーや免疫効果がある」など特徴を出さないと生き残れない時代ではあるが、「生理学的に効き目がある」と謳うのは危険である。

要は、癒し系サロンやベビーマッサージは、「あくまでもマッサージされることを通じて精神的な癒し効果がある」レベルに留めないと、「人の健康に害を及ぼす施術行為」と認定されビジネスとしてはリスクが非常に高いといえるのであろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ427号より)


【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7
つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)