2015年2月10日の日本テレビのニュースで、
『群馬大学病院で、腹腔鏡を使う肝臓の手術を受けた患者8人が死亡した問題で、被害者弁護団が結成された』
ことを報じていました。
ニュースでは、
◇同じ医師が執刀した腹腔鏡を使った肝臓手術で5年間に8人が死亡した
◇肝臓の開腹手術でも10人が死亡している
◇結成したのは、医療事故を専門に扱う「医療問題弁護団」の弁護士8人
◇弁護団は「患者が続けて亡くなっているのに手術を続けたのは悪質だ」としていて、カルテや手術のビデオをもとに調査を進める
という。
この群馬大学病院問題は、2014年暮れからニュースになり、2015年1月には、医療法に基づく立ち入り検査が厚労省などによって行われている。
ただ、現状は、群馬大学病院に付与されている高度な医療を担う「特定機能病院」の承認取り消しに至っていない。
それにしても、メディア情報から振り返ってこの件を考えると、群馬大学病院の体制は酷い。
例えば、
◇病院では、死亡症例を検証する会議を行っていなかった
◇執刀医から問題事例として報告されていなかった
◇不適切な保険請求もかなり存在した
といった問題点が指摘されている。
一般論であるが、国が定める認証制度は「結果責任」により取消されたり、「欠格事由」として認証の申請ができなかったりする。
「国が認める認証制度」の場合は、「問題発生=取り消し」もやむを得ないかもしれないが、このことで、「問題は隠す」という組織体質が生まれる。
医療の話からそれるが、例えば、個人情報。
国の制度では「プライバシーマーク認証制度」があるが、この認証を付与された組織は問題があれば、国に報告する仕組みになっている。
逆説的であるが「問題点を報告するということは問題点を検出し報告する仕組み」が働いているわけで、ある意味「立派」である。
しかし、酷い組織は「問題を隠して報告しない」という故意による悪質な隠ぺいもあれば、「問題(例えば個人情報の入った電子媒体を紛失する)事態に気づかない」ずさんな組織もある。
運送業の世界では、車両事故が発生すれば、法律により届け出しなければいけないが、悪質な業者は、隠ぺいするという。
話を群馬大学病院に戻すが、「死亡症例を検証する会議が開催されていない」ということも問題であるが、執刀医が腹腔鏡手術で8件も死亡事故がありながら「問題事例として報告されていない」ことおよび「それを放置していた群馬大学病院」は、機能不全であり、よくもまぁ「特定機能病院」の認証を維持し続けたものだと思う。
群馬大学病院において発生した問題の責任を追及することがまずは急務であるが、国の認証制度の審査のやり方や制度設計にもメスを入れなければ「問題事例の報告がないといわれたので、特定機能病院としての認証継続判断を今までしていました」というものであれば、全く価値のない認証制度である。
それにしても、群馬大学病院は、「同じ執刀医が5年間に腹腔鏡手術で8件の死亡事案」が発生しながら、なぜ放置していたのだろう?
医療の世界は「再発防止」ではダメで、「未然防止」でなければならないのに、「再発防止」すらまともに機能していないとは、酷すぎるし「特定機能病院」として患者さんに信頼性を無駄に与えてきた(と懸念される)国の責任も重いと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ424号より)
【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)