食品卸の会社を経営する知り合い会社が、運営していた「居酒屋の2店舗」を閉店させた。

詳しい事情は聞いていませんが、人づてで情報を集めると、「傷口が大きくならないうちに閉店して別の事業をやる」という経営者の意向らしい。


わたしが聞いていた話では、当初「居酒屋を出店する」狙いとして「品質の良い食材を仕入れるノウハウを武器に和風系高級志向の店作りをする」とのことだった。

どんなお店かと思って、シレっと、店舗を訪問したことがあるが、料理自体は創作料理もあり美味しかった。

しかし、これといった特徴が無く、その割には価格が中途半端で、若い世代は「安く飲みたい」のニーズの方が強いだろう。

また、逆に高級志向を求める年配の層に対して、ホールスタッフの接客がイマイチ。

また、女性客には、デザートメニューが少なく、要は、「宣伝力や経営者の人脈などで開店当初はある程度、盛り上がるだろうけれど、リピート客は増えないだろうな」と思った。


なので、「閉店」は案の定、というと失礼だが、「やっぱりな」というのが最初の感想。

「経営が傾いた時に焼け石に水的に手を打つよりさっさと撤退」という経営者の判断はある意味評価するが、この会社の「コア・コンピタンス」(他社にない競争力)でもある「品質が良い食材を仕入れる能力」をもっと生かした店作りはできなかったのだろうか、と思うと残念である。


この経営者さんは、客観的には「思い付きでものごとをポンポン独断で進める」タイプである。

企業が創業からわずかで、かつ、急激な成長過程においては、「思いつきでどんどん進めること」も大事である。

次は「居酒屋さんや高級お惣菜屋さんへ商品開発したメニューを卸す事業」を開始するらしい。

狙いは面白い。

飲食店に卸す食材を調理したり、レシピと一緒に販売することで付加価値をつける作戦はある意味、ニーズがあるだろう。


ただ、商品開発要員として、居酒屋スタッフとして採用した板前さんを活用する構想のようであるが、板前さんの喜びは「目の前のお客様が美味しい美味しいと言ってくれること」である。

商品開発では、直にお客さまと接しないから、なかなか板前のような喜びは実感しにくい。

おそらく、経営者があてにしている人材の退職は相次ぐだろう。


この経営者さんは、表面的にしか知らないが、朝から晩まで「仕事漬け」という仕事大好き人間の30代で、「なぜ、俺と同じようにみんな働けないんだ」と考えているフシがある。

最初は「経営者に惚れて入社する社員」が多いが、企業として成長してくれば、「経営者と労働者」というビジネスライクな価値観の社員が増えてくるわけで「俺に黙ってついてこい」では経営はとてもうまくいかない。


経営者の狙い(事業戦略)は面白いと思うが、人材管理や事業戦略に必要なマネジメントをもっと経営者が学ぶか、あるいは、そうしたサポートや意見をいえる参謀がいて、経営者が受け入れる度量がないと、また、新規事業は失敗してしまうだろうな、と思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ377号より)



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