旧聞に属する話ですが、2014年12月20日に東京駅で発生した「開業100周年記念Suica暴動事件」を振り返っておきたいと思います。
大雑把に結論付ければ、「東京駅の見通しが甘かった」となります。
過去の記念Suicaの発売例を参考に、「混乱がほとんどなかったから今回も大丈夫であろう」と考え「想定外の事態」としていますが、
◇100周年という節目の記念Suicaであった
◇100周年記念Suicaであることから、各メディアもいつも以上に取り上げた
◇記念Suicaのデザインも優れていて発売発表直後から人気が高かった
◇こうしたことから最初から転売目的の購入者が増えた
という点に対する「想定が甘すぎ」たため、警備体制など発売に関する対策がほとんど考慮されなかったわけである。
「東京駅開業100周年記念Suica発売」の企画をする時点で、販売体制、警備体制、販売における消費者への注意喚起体制なども併せて「計画」されたはずであるが、「計画の元になった過去の記念Suica発売」がそもそもおかしい。
「過去の記念Suica発売」より、極論を言えば「iPhone6」の発売時の混乱など、他の人気商品で発生した「行列騒動」を参考すべきだったのだ。
また、「100周年記念Suica」ということからメディアの取材がいつもより多いことは、わかっていたはずだから、その時点で、仮に「過去の記念Suica発売例を参考に計画していた発売体制や警備体制などの計画書」を変更すべきだったのだ。
「暴動」といわれるまでに発展してしまったのは、「発売当日(前夜も含めて)の対応のまずさ」も拍車をかけてしまった。
例を挙げれば、「徹夜で並ぶことの禁止」を呼びかけながら、それを許してしまった点。
だから、始発で東京駅に向かった人からすれば「ルールを守ったのにルールを守らなかった人が購入できたのはおかしい」となる。
また、ユーチューブなどに投稿されている画像を見る範囲では、Suicaを求める購入希望者は、明らかに「列」になっていないのに、それに対する東京駅職員の整列の徹底なども遅かった。
今回の騒動は、「1月下旬に希望者全員に発売する」と東京駅が発表したことにより、なんとなくメディアもファンの怒りも終息した感がある。
しかし、JR東日本の公式サイトで発表されている「謝罪文」を見る限り、「体制改善」という観点ではまだまだ疑問が残る。
https://www.jreast.co.jp/aas/20141222suica100_stop1.html/
なぜなら、「謝罪文」に含めるべき内容である「社長限界でしょ」がまるで含まれていない。
わたしのコラムを読んでいただいている方にはお馴染ですが、
◇社(関係者への謝罪)
◇長(の調査結果の報告)
◇限(究明した原因の明示)
◇界(改善策の提示)
◇しょ(処分・賠償)
がほとんど含まれていないのだ。
もちろん、公式サイトでの「おわび」は「12月22日付」なので、第一報の「とりあえず版」という見方もできるが、「お詫びの続報」がなければ、「天下のJR東日本」として、問題である。
今後の対応を注目してみたいと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ418号より)