マネジメントシステムに関する仕事をしているので、ふだん、「業務の標準化」の重要性を訪問先の企業では説いている。
やはり、仕事の質を向上させるためには、ベースとなる「仕事のやり方」を決め、その業務に携わる要員にきちんと教育し、最低限の仕事の質を担保し、継続的に仕事のやり方を監視、分析して、改善していくことがセオリーである。
ただ、「業務の標準化」⇒「仕事のマニュアル化」は大事であるが、実際の仕事現場では、臨機応変さも必要だよな、と思う。
例えば、先日、JRのみどりの窓口で、こんなことがあった。
ある地方都市に出張し、帰りの列車について19時台の特急の座席指定をしていた。
仕事が少し早く終わり、17時台の列車(発車時刻まで3分前)に変更しようとみどりの窓口に並んだ。
こちらのイメージとしては、
私)「19時台の列車を予約していたのですが、17時台のものに変更お願いします」
窓口)「窓側座席はありませんが、列車完了です。お気をつけて」
私)「ありがとう」
という感じの10数秒のやり取りをイメージしていた。
しかし、実際には、
私)「19時台の列車を予約していたのですが、17時台のものに変更お願いします」
窓口)「ご指定されている窓側席はありませんが、どうされますか?」
私)「席が空いていれば、どこでもいいですよ」
窓口)「座席を変更させていただきました。内容を確認させていただきます。
17時○○分の×号車C席です。列車は○番線から発車します。
なお、座席指定の変更は1回限りになることをご承知おきください」
私)「あっ、急いでいるので、説明は省略形でいいですよ!!」
窓口)「時間は十分ありますので・・・」
私)「(きっぷを窓口からひったくるように)どうも(ホームにダッシュ)」
というやり取りになった。
時間にすれば、たぶん、イメージしていた座席指定変更のやり取り「プラス30秒程度」だと思います。
しかし、「発車前の約3分」で「乗車変更は1回限りです」の説明は要らないし、「時間は十分あります」も余計である(笑)
おそらく、「乗車変更のマニュアル」に「乗車変更は1回限りであることを客に確実に伝えること」となっているのであろうが、現実問題として、「まもなく発車する列車に乗車変更した客がさらに別の列車に変更する可能性」などまずない。
また、こちらは、残された1~2分の中で、お弁当や雑誌を購入することもしたかったので、「時間は十分あります」も、ダイレクトに列車に向かえば、「時間は十分ある」が、わたしにとっては「十分な時間はない」のである(笑)
たぶん、このようなケースの場合、日常的に行列を作り、時間に終われてバタバタする都市部の駅のみどりの窓口勤務であれば、臨機応変の対応力が自然と身につくだろう。
しかし、比較的のんびりした地方駅のみどりの窓口勤務では、マニュアル通りのオペレーションで、客の状況に応じた臨機応変な対応は身につきにくいのだろう。
領収書をお願いするときも、都市部の駅なら、駅員さんから「領収書は必要ですか」と聞かれ、「お名前はどうしますか?」⇒「こちらで書きます」というような流れになるが、地方駅だと、領収書発行にはなれていないし、「お名前はどうしますか?」⇒「こちらで書きます」⇒「お名前を書いて領収書はお渡しするルールになっています」と、マニュアルに杓子定規だ。
このような臨機応変な対応は、
1)職場環境により自然と身につく
2)上司の業務チェックによる指導
3)客からの苦情や要望
といったルートで身につく。
ただ、異動のある職場なら「自然と状況判断が出来るようになる」と思うが、そうでない職場は、「相手の置かれている状況を自分で気づき臨機応変な対応に気づく」しかない、と思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ412号より)
【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)