「顧客の声」を商品やサービスづくりに役立てることは、「お客様に選ばれ続ける企業」であるための鉄則である。

もちろん、「おれの作品が受け入れられなくなったら、廃業する」という職人魂は、「あり」であるが、一般論として「企業は世の中のために役立ってこそ存在すべきもの」とするならば、「顧客からの声」を大事にすることは必須である。


ネットのニュースを見ていたら、学習帳のトップブランドとして知られるショウワノートの「ジャポニカ学習帳」の「昆虫シリーズ」が2012年から廃止されているという。


ご存知のように、ジャポニカ学習帳は、

1970年の発売以来、累計12億冊を販売

◇表紙にカブトムシなど動植物の大きな写真が入っているのが特徴

◇学年や科目ごとに異なる約50種類が販売

◇商品の形に商標権を認める「立体商標」として認められている

1978年以降、カメラマンの山口進さんが撮影したものが表紙に使われている

という商品です。



「昆虫シリーズ」が、廃止に至った経緯は、

「娘が、昆虫写真が嫌でノートを持てないと言っている」
「授業で使うとき、表紙だと閉じることもできないので困る」
といった声が、保護者や教師から上がったそうです。

こうした声は、10年ほど前から寄せられ、そういった声自体は多くはなかったが、最終的には、学習帳の版を改定するたびに昆虫を減らし、2012年で終了したそうです。


ショウワノートのこの決定は、どのように考えるべきでしょうか?
例えば、

◆珍しい昆虫を子供達に知らせることで生物に関心をもってもらいたい

◆昆虫に興味を持つことによって自然と触れ合う機会を増やしてほしい

といった「学習帳の表紙に昆虫を採用している明確なポリシー」があるのであれば、「寄せられた不満」に対して、丁寧に応え、理解を求めていく、という方法もあったはずでしょう。


明確なデータとして「昆虫を表紙にしているため、昆虫嫌いの教師が児童にジャポニカ学習帳の購入を勧めず、売り上げが激減している」というデータがあればわかりやすいが、日本の場合は「サイレントクレーマー」が多い。

「サイレントクレーマー」とは、その名の通り、「不満を声に出さない人」のことです。

つまり、クレームを出すことはパワーと勇気が要ることなので、商品の選択肢が多い日本の場合、「黙って買わなくなる」というパターンが多いわけです。


そのような観点で考えれば、10年前から昆虫を表紙に使用することに対して、不満の声が上がってきたのを契機に、徐々に昆虫の登場回数を減らし、不満の声の数や売り上げなどの様子を見てきた(モニタリングしてきた)というショウワノートの方法論は正しかったのかもしれません。


そういう、わたしは、ジャポニカ学習帳は「現役の小学生の時」は、低学年の時しか使用していませんでした。

罫線だけが入ったノートの方が使いやすく感じ、高学年になったら、自然と使わなくなっていました。

ふたたびジャポニカ学習帳を使うことになったのは、大学生の時です。

この頃、取り組んでいたスポーツの「練習日誌」を書きとめるために文具屋さんでノートを物色していたら、「その日の天気」「練習内容」「反省点」「気づき事項」などを書きとめるには、「ジャポニカ学習帳」が最適だったのです。


それにしても、ノスタルジックな話ですが、昆虫好きの私としては、ジャポニカ学習帳から昆虫写真が廃止されてしまったのはさびしい限りです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ413号より)



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