20141120日付の日刊スポーツが、

「横綱鶴竜が、まさかの変化で大関豪栄道を下して1敗を守った。立ち合いで右に変わり、すかさずはたき込み。期待された好取組は、わずか0秒9で終わった。」
「横綱らしからぬ相撲に、満員の場内は騒然とした。ため息とどよめきが起こり、ヤジも延々と飛び交った」

と報じていました。



大相撲に関心のない方だと、わかりにくいかもしれないが、「注文相撲」とは、

「立合いで相手の攻撃を見て、相手の左側か右側へ体 をかわすこと」

である。


「注文相撲」を文字で説明すると、「立ち合いで状況を見てからの変化技」だから、「立派な技である」という見方もできるが、一般的には、格下の相手が、勝ち目の薄い各上の相手に、仕掛ける奇襲技と捉えられている。


したがって、各上の相手、特に「横綱」が、勝利にこだわり、注文相撲をとると、「横綱としてのの品格がない」とか「相撲道に反する」と非難されるのがオチである。


個人的には、宮本武蔵の「一乗寺下り松の決闘」は、子供を斬るという奇襲作戦だったし、織田信長の桶狭間の戦いで今川義元を討ったのも奇襲だったが、やはり、「圧倒的不利といわれる状況下」でない以上、非難されるのは、仕方がないのかな、という気もする。


鶴竜関は、インタビューで、

「「勝ちたい気持ちが強すぎた。そういう気持ちに勝てなかった」と、まるで敗者の弁のようにつぶやいた。」

というから、「横綱としてあるまじき行為であった」という認識はあったが、「それでも勝利にこだわりたかった」というホンネが勝ってしまったのだろう。


野球の世界でいえば、アメリカの大リーグでは、大差の付いている勝ち負けがほぼついたような試合で、「送りバント」や「スクイズ」をすると、観客からはブーイングが飛び、下手をすると報復攻撃として、次の打者を死球で狙ったりするらしい。


鶴竜関は、横綱になってから、まだ、実績を残していないから、なんとか「優勝したい」という気持ちが強いのだろう。

仮に鶴竜が優勝した場合、スポーツ評論家たちはどんな評価をするのか注目してみたい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ412号より)



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