20141023日付の時事通信が、

「廃棄物処理法違反で、テレビCMで有名なハウスメーカーのアイダ設計の執行役員と土木部長ら3人と法人としての同社を書類送検した」

と報じていました。


記事によると、

◇アイダ設計は、住宅解体工事に伴う産業廃棄物の処理などを無許可業者に委託した

◇アイダ設計は、「555万円の家」など低価格住宅販売の宣伝で知られている

◇アイダ設計が委託した産業廃棄物は約17トン

◇アイダ設計は、廃棄物処理の委託を53万円で委託した

という。


ご存知のように、ハウスメーカーが住宅解体工事を施主から請け負った場合、生じる住宅廃材の処理は「産業廃棄物」である。

「産業廃棄物」を排出すると、一般的な処理プロセスとしては、

「収集運搬」⇒「中間処理」⇒「最終処分」

となります。


このプロセスで生じる「収集運搬、中間処理、最終処分」は、都道府県知事または政令市長、特別市長などの許可を受けた業者(許可業者)に業務を委託して処理しなければ(排出者自ら運搬することは可能)廃棄物処理法違反となる。


それにしても、こんなことは、建設廃材が日常的に発生するハウスメーカーであれば、常識的に知っているはずである。

しかも、書類送検されたのは、アイダ設計の執行役員と土木部長という組織の要職にある人物であり「廃棄物処理法を知らなかった」ということは、まずありえない。


アイダ設計は「法に抵触した事実を真摯に受け止め、体質改善に努めたい」と発表しているというが、安さを売りにしているため、1円でも、2円でも「経費を削らねばならない」という宿命を背負っている。

つまり、例えば、

◇安くて質の悪い職人(の使用

◇安くて質の悪い建材の使用

◇無許可業者へ廃棄物の処理委託

などといったリスキーな業務に走りやすい体質があるわけで、そういう点を組織として強烈にマネジメントしなければ、再発するであろう。

ひとことで「体質改善に努める」とあるが、「安さがウリ」の会社なので、「ノルマ達成や出世のためにはバレなければなんでもあり」という社内体質は常に付きまとうと組織は認識するべきである。


ちなみに、違法に処理された廃棄物は、17トンというから、建設混合廃棄物の換算係数(t/m3)を「0.26」とすると、約65立米(m3)。

仮に、建設混合廃棄物の1立米の収集運搬&処分費用を「15000円」とすると、約975千円。

今回、53万円で委託していたというから、ざっくりであるが、正規の業者に委託するより40万程度の圧縮を図ったわけだ。

不正に圧縮した額は約40万円だったものの、「アイダ設計」という著名な企業だけに、営業活動など業務への影響は、その何十倍にもなったに違いない。

どのような社内改革を実施していくのか、注目していきたい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ408号より)


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