「これからの組織経営は、環境に取組むことが必須である」と言われるようになってずいぶん経つ。

この結果、省エネ、省資源対策・・・つまり、節電、節水、ごみの分別といった目に見える活動は多くの組織であたり前のように習慣化し、例えば「始業時間になるまでは、社内の電気を付けない」といった行動を徹底している組織も多い。


また、「3.11」つまり、東日本大震災が発生してから、火災や油漏れといった環境影響の予防と発生した場合の対処法だけでなく、津波や地震といった「災害」についても対応手順を整備する組織は増えたと思う。


ただ、それだけでは「環境への取組みとしては不十分である」といわれるようになってからも久しい。

やはり、家庭でも実施するような「紙・ごみ・電気の削減」といった活動は、組織内の節約意識の向上には大変役立つが、ある程度習慣化してしまえば、効果としてはもう多くを望めない。


また、外部から見れば「省エネ省資源の推進により社内コストが下がって、環境にも優しいのではあるんだろうけれど、その組織が提供する製品やサービスを通じてユーザーや社会に対しては環境的に何か貢献してくれているの??」という観点では、全く物足りない。


そこで「本業に通じた環境への取組みをすること」という考えが重要視されてきたのである。

「本業に対する環境への取組み」を考える場合、ポイントは2つある。

ひとつは「業務改善を通じた環境負荷削減」、もうひとつは「製品やサービスを通じた環境負荷削減」である。

前者は、どちらかというと「社内コストを改善することで資源の使用量や廃棄物の処理量が低減し、労働時間が減れば、必然的に環境に優しい」ということになる。

一方、後者は、例えば家電メーカーであれば「省エネタイプの機器を設計することでユーザーサイドの電気使用量削減→環境負荷削減」ということになる。


したがって、本業に関する具体的な「環境目標」としては、例えば、カーディーラーであれば、

◇エコカーの販売台数の拡大

◇車検防衛率(入庫率)の向上

◇配置効率向上

◇顧客の使用用途に最適な車種の提案採用率の向上

◇エコタイヤやエコオイルなどの販売額向上

◇持ち込み台数の向上

12ヶ月点検台数の向上

◇リードタイムなど作業効率の向上

といった項目が目標設定として上がってくるだろう。


ただ、この場合、注意すべき点がある。

本業以外の、つまり「紙・ごみ・電気の削減」や「火災や油漏れ対策」といったことに関しては、例えば、総務部門が「組織の環境への取組みの司令塔(事務局部門)」を担っていることになんの違和感もなく、組織の内部の環境活動推進上も問題ない。

しかし、「本業に関する環境への取組み」を「環境への取組みのメイン事項」とした場合、現業部門からすれば、「業務目標そのもの」となる。

先に挙げたカーディーラーで、例えば、「エコカーの販売台数向上」と言えば、営業本部のような部門が旗振り役であり、「なぜ総務部門に目標の進捗状況や活動報告、そして4半期ごとや半期ごとに達成度の報告と改善指示」いったことをされなければならないのだ?という意識になるのだ。


つまり「本業に関する環境への取組み」を本格化する場合、環境活動の事務局体制や会議体のメンバー構成や経営者への報告ルートも含めて見直しをしなければ、社内的にはうまく環境活動は推進されないのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ364号より)



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