環境マネジメントシステム監査で、ある企業に訪問して、インタビューしていたところ、その方は親会社からの出向の方で、「うちの親会社は、環境マネジメントシステム認証をそろそろ返上するそうです」という。


この方は「私に何を伝えたい(アピール)のだろうか?」と一瞬、次のように思いめぐらした。

つまり、

◇わたしは環境マネジメントシステムを親会社にいる時に学んでよく知っている

◇うちの親会社は、環境マネジメントシステムが確立したから、そろそろ卒業する

◇うちの親会社も認証を返上するのに、いまさらうちがやる必要があるのか?

などである。


もうちょっとお話を聞いて行くと、どうやら、

「わたしは、環境マネジメントシステムを知っているし、環境マネジメントシステム導入で実現できることはわずかだ!」

ということを言いたかったようである。


ただ、恐縮であるが、この親会社の環境への取り組みは、わたしが知る範囲では、いわゆる「紙・ごみ・電気」と言われる「オフィスエコ」と業務で生じた分のCO2排出量分を吸収する「植樹活動など社会貢献」をしている程度の環境活動である。

申し訳ないが、この程度の活動レベルで「やるべき事は概ねやらせていただいた」と胸を張られても困る(苦笑)


私のいつも述べていることであるが、環境マネジメントシステムにきちんと取組むことで、

◇業務プロセスレベルでの改善(ミス、ロス削減)

◇製品やサービスを通じて世の中の環境負荷削減の推進

◇製品やサービスを通じて多くの人々や社会的に環境啓発を促し正しい理解を広める

◇業務活動、保有設備などを通じて想定される緊急事態などリスク想定とその管理

といったことを、組織が存続する以上、未来永劫バージョンアップさせていくべき話なのである。


しかし、オフィスエコや社会貢献的な活動のみ(あるいはそれら中心)では、「多くの人が職場において目の前の課題や関心事と直結しない(ベクトルが合わない)」ため、数年すると「事務局だけが中心となった環境への取組み」に成り下がるのだ。


環境経営システムを正しく推進していくためのポイントは、やはり「業務課題とベクトルを合わせること」で「環境活動は日常業務のプラスα」という考え方にしないことが一番重要なのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ348号より)


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