日本のサービス業のフォーマットは、いわゆる「おもてなし」という観点で優れていて、海外に「輸出」できるという。
確かに、例えば、コンビニエンスストアで、価格にしたら、100円ちょっとの紙パックのジュースを買えば、黙っていてもストローはついてくる。
また、おにぎりやサンドイッチなど「手でつまんで食べる食べ物」なら、まず、どこのコンビニチェーンでも間違いなく「紙おしぼり」が添えらている。
もちろん、接客マニュアルの、ひとつのオペレーションなのだろうけれど、「購入したお客さんの次の行動を想定」して、必要なものをサービスとして付けるということは、「気が利いている」し、顧客満足を第一に考える日本のサービス業の真骨頂そのものであると思う。
以前、あるサービス業を指導していた時に、その業界で「カウンターアタック」と呼んでいるオペレーションがあった。
他の業界でも、そのようないい方をするのか、不明であるが、その業界で「カウンターアタック」が意味することは、
『お客さまの来店時から退店までの間に、お客さんのとる行動や会話に対して、計算され尽くしたたたみかけの営業トーク』
である。
「カウンターアタック」を「文字で表現する」と難しいが、日常的に、わたしたちは「カウンターアタック」を受けている。
例えば、駅弁をキオスクで買う時に「飲み物も一緒にいかがですか?」と言われるし、ハンバーガーのファーストフード店で、単品でハンバーガーを買おうとしたら、「今はキャンペーン中でチキンと一緒に購入されると割引になります」と、要は「オトク情報」をおススメされる「あれ」である。
先日、あるファミレスに行ったら、入店からお店を出るまでに「何回カウンターアタックされたのかなぁ」と数えたくなるほど、激しかった(笑)。
具体的には、
・着席時に「生さんまのキャンペーン中です」と期間限定のメニュー表を渡しながらのお声掛け
・注文時に「ドリンクも一緒にいかがですか」との提案
・注文時に「プラス価格でお味噌汁をけんちん汁に変更できる」との提案
・注文時に「お土産用」商品の提案
・お冷のお代り時に「携帯サイトへの登録」をするとソフトクリームが無料になる提案
・ドリンクを追加注文した際に「プラス価格でラージサイズにできる」との提案
・支払い時に「お茶が美味しかった」と告げたら「物販」の提案
・支払い時に「ポイントカード会員」のおススメ
と、ものすごい回数の「カウンターアタック」であった。
もしかしたら、客のわたしが気づかない「カウンターアタック」もあったのかもしれない。
わたしのように、企業の経営指導をしている立場だと「よく、やるなぁ」という目で、面白がって、アルバイト、パートスタッフさんの立ち居振る舞いを観察してしまう。
しかし、外食サービスを多く利用している人なら、「ちょっとうざいかも」と思わせるような連続技であった。
それにしても、振り返ると、アルバイト、パートスタッフさんによっては「かなりマニュアル的に言えと指導されているからやっている」というぎこちないスタッフさんもいましたが、「おススメ提案」の口調やタイミングがばっちリで、そのスタッフさんの接客技術やそういうオペレーションマニュアルを作ったファミレス本部に「すごいな」と思いました。
実際、「それ、おススメしてくれれば、注文したのに」ということがあるなら、カウンターアタックは「お客さまにとっても、お店にとっても良いこと」で両者ハッピーである。
しかし、明かに客が「はいはい、また営業ね」とうるさく感じるようであれば、カウンターアタックのタイミングなどマニュアルを見直す必要があるだろう。
ただ、日本のサービス業が優れているという部分は、スタッフそのものの力量の部分も大きいだろう。
仮にカウンターアタックのマニュアルがいくら優れていても、嫌みのないセールストークや、客の態度から、望んでいない時は「引く」という臨機応変な接客技術がなければ、「両者ハッピー」にはならない。
お客さんの満足度や立場や想いを想像し、次のアクションができるスタッフ作りができれば、日本のサービス業のフォーマット(接客マニュアルやスタッフ指導法)は、世界に「輸出」できる素晴らしいものとなるであろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ372号より)
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