2014年3月31日に全日空(ANA)のボーイング747-400D型機がラストフライトを行ったことを、毎日新聞が報じていました。
記事では、
◇ジャンボサイズの4発機は手間がかかった
◇エンジンが4基あり、シートの数も多いから部品点数が多く、作業のマネジメントに苦労する
◇整備や燃料にかかるコストは、競争が激化する航空会社にとって負担となり、より効率の高い機体が求められた
◇ANAの主役は2011年10月に就航した新世代の中型機787へと代わった
と言ったことを報じていました。
先日、ある企業で「環境経営」を導入するための勉強会をすることになった。
その時に、この「ジャンボ引退」の話を「環境経営」に絡めて話をしたのです。
すると、勉強会で、
「ジャンボが姿を消していった理由から企業にとって環境を意識したマネジメントの重要性を理解した。しかし、そうなると、環境は経営戦略や企画段階で大部分が決まってしまうんじゃないですか?」
といった質問があがりました。
そう、企業における環境負荷の削減は、質問をした勉強会の受講生がいわれるように、「企画段階」で決まることが多いのです。
夏になると、ANAもJALも、冷房の省エネのために着陸した時に「エコのために、窓側のお客さまは、恐れ入りますが、日よけを下ろしてください」といった放送が流れる。
多くの人は、2社とも環境経営に取組んでいるから、うちら乗客も協力しよう!、と考えるだろう。
つまり、こうしたことが「エコ」であり、「環境経営」で企業が取組むメインの話しだと思うだろう。
もちろん、「環境経営のひとつ」ではあるが、「ジャンボが航空会社から姿を消した理由」からわかるように、飛行機のメンテナンス工数が膨大で、効率の悪い燃費を、中型機を導入することで改善することの方が、「環境負荷削減効果」は、一目瞭然で大きい。
要は、「窓の日除けを下ろす」という現場レベルの活動を管理することは重要ではあるが、それ以前に「経費コストを下げるためにどういった機種を導入していくべきか」といった「経営計画段階の判断」をマネジメントすることがもっと重要なのだ。
細かい議論は、この場では抜きにするが、例えば、「環境的リスクとなる火災の発生を低減させたいからオール電化にする」という考えが企業にあるとしたら、自社ビルなら自社ビルの建設計画の段階、賃貸なら賃貸物件を探す段階から「環境管理」は始まるのだ。
とかく「環境経営に企業が取り組む」となると、設計や製造、サービス提供といった現業部門の活動や日常の活動におけるOA機器類などの節電などが注目され、「経営企画部門」や「購買部門」の活動は、見た目の環境負荷が無いから、環境管理から度外視されるケースが多い。
しかし、こうした部分の活動が「環境管理のカギ」を握っていることを理解しなければ、企業における環境管理は不十分なものになってしまうのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ382号より)
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