3大予備校(駿台予備校、河合塾、代々木ゼミナール)のひとつである代々木ゼミナールが校舎の7割を閉鎖し、全国模試やセンターリサーチなどを廃止し、業務を縮小するという話題には、時代の流れと分っていても、びっくりです。


現在、代ゼミは、全国27拠点を有しています。

それを、7拠点に絞り、40代以上の講師陣と職員には、希望退職を募るというのですから、尋常ではありません。


各メディアで、代ゼミ衰退の原因は語られているので、この場ではあらためて詳細には触れませんが、30年近く前に通った「母校のひとつ」でもある代ゼミなので、少しだけ「経営戦略ンお歴史」を振り返ると、「少子化とそれに伴う価値観の変化」の想定を見誤ったと言えるでしょう。


予備校業界だけでなく、教育産業界全体が「少子化」という問題に悩まされています。

しかし、代ゼミは、完全に対応に遅れてしまった。

その大きな理由は「代ゼミの強みである浪人生対策にこだわり続けてしまったこと」でしょう。

他校が、少子化に加えて、「現役志向」への変化という価値観の変化にうまく対応させて「ライブ授業」や「オンデマンド授業」などへ業態を変えていったのに対し、「浪人対策」にこだわった代ゼミは、完全に出遅れたのです。

1992年に40万人いた浪人生が、2013年は5万人というのですから、それではお話になりません。


先代の経営者が「予備校界のカリスマ経営者」と呼ばれた方ですから、「猫に鈴」をつけることができなかったことが、こうなってしまった一番の要因でしょう。


巷で噂される「不動産業へのシフト」ですが、これは、わたしが「在学」していた当時から、学生の間では「ウワサ」されていました。

つまり、校舎は立地の良い場所にあり、「予備校として商売が成り立たなくなったら商業ビルやビジネスホテルにして生計を立てていくのだろう」と。

しかし、各メディアの報道を見ていると、「立地の良い場所に校舎があるのはたまたまで、経営側としては、そんな戦略はもともとない」とのこと。


今回の代ゼミの「縮小均衡策」は、おそかりし感が大ですが、「過去の成功体験に頼って経営してきたツケ」なので、多くの名門企業が、「破たんするまで経営戦略を見直すことができない」結果であることが多いですから、「経営破たんする前に企業を立て直す英断」と言えるでしょう。


経営の超スリム化を発表し、経営破たんへの道は、なんとか免れた「代ゼミ」ですが、今後、このまま均衡縮小していってしまうのか、それとも、手薄な現役生や在校生対策に目を向けるのか、それとも、不動産など他のビジネスへの展開を図っていくのか、今後の動向に注目したいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ400号より)



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