最近の教育論の専門家の多くは「欠点は直さなくても長所を伸ばせば良い」という「耳障りの良い言葉」を流布し過ぎている気がします。
この説を唱える人は、
◇短所を克服するのは時間が掛かる
◇長所を伸ばす方が、効率が良い
◇長所を伸ばすことは、人のやる気を育てる
◇人事評価で、マイナス要因で差をつけると失敗を恐れる
◇人事評価で、プラス要因で差をつけた方が、組織が活性化する
といった考え方に基づくものでしょう。
基本的には、わたしも「その通り」と思います。
「マイナス要因での評価」は、事なかれ主義に繋がりますし、まさに失敗を恐れて、「無難に済まそう」という思考で仕事をします。
創造力が求められる新しい発想が必要な仕事や時代の流れに合わせて従来の仕事のやり方を変えていくべきなのに、「事なかれ主義」は、組織にとって損失です。
また、人は、自分の得意なことには興味がありますが、不得意なことには関心が湧かないものです。
「やる気を育む」「やる気がみなぎった組織にする」という観点で考えれば「致命的な短所を除き、短所の克服よりも長所を活かしましょう」というのは、確かに「教育責任者」や「自己啓発したい人」にとっては耳触りが良いので支持を得ているのでしょう。
ただ、この考えは「ケースバイケース」です。
例えばなしとして、野球で考えてみます。
例えば、「足が早い」という長所を持った外野手がいるとします。
しかし、「ピッチャーの癖を盗むのが下手」という短所がある場合、短所の克服よりも長所を伸ばすことを優先すれば、外野の守備力は増すかもしれません。
しかし、ランナーに出た場合、「盗塁」という「足が速い武器」は活かせないことになります。
つまり「欠点を直さなくては長所も伸びない」わけです。
(※わたしの例えばなしとは違った例で、元プロ野球選手の高木豊氏も自身の著書(父親次第)で同様のことを述べていました)
また、「欠点や短所の克服」は、
『「欠点克服」という自信につながる』
のです。
それは、「欠点は、他の人と同じことをやっても克服できないから、人並み、あるいは人並み以上に変えることは何十倍も努力することになり、気持ちも強くなる」からです。
「できないことができた」という成功体験は、他の欠点や短所の克服にもつながります。
「世界に一つだけの花」という歌がありますが、この歌のヒット以降「オンリーワン思考」が至る所で蔓延している気がします。
基本的には、「自分らしく生きよう」は、わたしも賛成です。
しかし、すべてについて、それを免罪符にするのは、「こどもの躾」にしても、「仕事の基本姿勢の教育」にしても、指導者側も学ぶ側も「サボり過ぎ」のような気がします。
「自らの欠点に気づかせる」「欠点克服のコツやポイントを気づかせる」という点は、指導者側の役目であるし、ケースによっては、その成功体験が、本人の強い心と自信を育むことになることも理解すべきでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ323号より)
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