ある地域のトラック協会の事務局の方に聞いた話であるが、そのトラック協会に加盟する運送会社の約7割の会社が赤字だと聞いた。
実際の数字を見せていただいたわけではないので、その真偽のほどはちゃんと確認していないが、「運送業界」、とりわけ、大手運送会社からの1次下請け、2次下請けといった業務が主体の運送業者は、相当に過酷な運送契約を結ばされており、「利益の出ない商売」になっているらしい。
雑談での話であるが、経理上、黒字になっている会社の多くも、「運送運賃による収入で黒字」になっている運送会社はわずかで、例えば「倉庫業」や「自社ビルに入居するテナントからの不動産収入」など本業以外の分で稼いで「赤字から脱出」しているという。
また、ある食品製造メーカーの方にお聞きした話であるが、その食品工場では、いくつかのコンビニエンスストアが企画した商品を製造している。
どのコンビニも、どんどん「過剰」ともいえる厳しい製品規格とコストを要求されているという。
つまり「お宅の工場で作れないのなら、他をあたるからいいよ」とばかりに、エンドユーザーの要求とは乖離しているのではないかという「上から目線」の指示を出してくるという。
笑い話であるが、某コンビニの商品は、あまりにも厳しい要求のため、「うちでの製造は無理」と「お手上げ」する食品工場が続出し、「ある売れ筋の商品を作る食品工場が見つからなくなった」という。
これらのようなケースを聞くと「供給者(協力会社)との互恵関係が損なわれて、お互いでお互いの首を絞めている結果になっているよなぁ」と感じる。
このコラムのタイトルでもある「供給者との互恵関係」とは、「品質マネジメントの8原則」のひとつである。
意味としてISO規格では、
『組織及びその供給者は独立しており、両社の互恵関係は両者の価値創造能力を高める』
(ISO 9000:2006「品質マネジメントシステム-基本及び用語」より)
と定義されている。
もう少し具体的に説明すれば、
『互恵関係とは、企業とその供給者(協力業者、購買先)とは対等の立場にあり、平等であるべきという考え方で、企業が提供するモノやサービスに関わるすべての人が協力し、気持ちのよい関係で仕事をして価値実現を図ること』
という意味である。
つまり、ある製品やサービスをエンドユーザー(顧客)に提供するにあたり「顧客満足」という共通目的に向けて、企業は供給者(協力会社や購買先)と互恵関係を築きましょう!ということである。
要は「発注者と下請負企業」という『上下関係』をなくし、エンドユーザー(顧客、消費者)に要求事項を満たした製品やサービスを提供するという同じ目的を持った『同士』として、企業もその供給者も「互いに尊重しあう立場」を築き上げていこう、という考え方である。
「仕事を出してやっているんだから言うことを聞け」
「お前のところが引き受けないのなら、できるところに仕事をふるよ」
という上から目線の関係は、「品質マネジメントの8原則である“供給者との互恵関係”」を逸脱した関係であり、最終的には企業と供給者の両者の価値創造を損なう結果となり、いずれは破たんするのだ。
アベノミクスの影響なのか、4月から大手企業の多くは、約20年近くぶりに賃金のベア(ベースアップ)を実施するという。
しかし、中小零細企業ではベアを実施するところはわたしの知る限り殆どない。
つまり、感覚的には、今回の大手企業のベア実施は、大手企業の供給者である多くの中小零細企業の利益を大手企業が搾取して成り立っている構造であり、日本の企業全体の「経営環境の向上」とはなっていない気がする。
「供給者との互恵関係」の意味をきちんと踏まえた経営をしない企業は、いずれは、しっぺ返しを食う結果になるのではないかと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ376号より)
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