マネジメントシステムの審査で関わった経営者さんと話す機会があった。

経営者の感想は、「マネジメントシステム規格を規範とする組織体制を構築することを模索したことで、企業経営の原点を少しおろそかにしていた」ということだった。


つまり、「“組織の形”にとらわれすぎてそれを構成している個々の“人”との関わりを見失っていた」というのだ。

だから、「会社で働いてくれている人、ひとりひとりと、もっとコミュニケーションを図っていくこと」を追求したい、という考えなのだろう。


そもそも、「マネジメントシステムの構築」に取組む組織は、

◇自分の組織には、明確な責任権限がない

◇業務フローも明確に確立していない

◇次世代にうまく仕事を引き継ぐために必要な手順書がない

といった内部的な問題点を認識しているケースと、

◇顧客や発注者に不具合発生時の組織体制など組織運営の透明性を要求された

といった外部保証というケースをきっかけにしている場合が多い。


したがって、「組織の客観性透明性強化」という観点で捉えると「組織の形づくりが重要」と考えるわけだ。

この考えは、決して間違っていない。


しかし、「零細組織経営の原点」は、冒頭で述べた経営者がおっしゃる通り、

◇個々の特性(特長)

◇家庭環境

◇本人の人生に対する目標

◇社内における人間関係

など「人との関わりを最大限マネジメントすること」といった要素の方がウエイトが高い。


もちろん、顧客(発注者)目線で捉えると、

「透明性のある組織」

「顧客に安心してもらえる組織体制」

という観点が重要になり、「マネジメントシステム規格に基づく組織体制の構築運用」は

必要ではある。

しかし、零細企業の場合、そこに傾注し過ぎると、「人との関わり」といった「会社は大家族のようなもの」という観点が二の次になってしまう。


冒頭で述べた経営者とのやりとりの中で、組織経営において「優先順位をつける部分は何か」を気づかせていくのも、審査員やコンサルタントの役目なんだよな、とあらためて感じた次第である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ313号より)


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