「生活路線」として地元に親しまれ、全国的にもファンの多い江ノ島電鉄が、今、住民ともめている。
もめる原因は、2014年2月21日に突然貼り出された「通路閉鎖工事」を知らせる貼り紙だ。
その後、3月31日に、住民にとっては「生活道路」であり「稲村ケ崎津波避難路」でもある稲村ヶ崎駅付近の線路横断路が、強行工事で閉じられたのだ。
ご存知の方も多いと思うが、江ノ島電鉄は、
◇成り立ちが路面電車だったため、線路をまたがないと家に入れない住民が多い
◇単線で、ダイヤは約12分に一本なので、電車が通ったあとは安全に渡れる
という住宅街と寄り添った日常生活と密着した鉄道である。
しかし、江ノ電側は、
(4月23日付の週刊金曜日より引用)
◇「安全対策」という名目でフェンスを張り巡らせた
◇自社の土地だから工事した
◇住民への説明会では「安全理論」を振りかざしや
◇住民の声は「問答無用」で「工事に入ります」の一点張り
だったという。
江ノ電側は、今後、164か所の道路閉鎖工事を予定しているという。
法律論でいえば、江ノ電側に、工事までの手続きに誤りはなく、「安全対策のための工事」という主張も間違ってはいない。
しかし、「住民に支えられて100年間続いた鉄道」、「路面電車がもともとの発祥」という経緯を考えれば、あまりにも早急な対応である。
今の時代、事故が起きた時の「責任問題」を考えれば、そのリスク対策のためにも、鉄道事業者としては「やるべき対策を取りたい」ところであろう。
しかし、
◇列車本数が以前より増え、危険性が増したわけではない
◇仮に封鎖工事をするとしても、移行期間が短か過ぎる
◇生活路線なのだからもっと住民と話し合いをするべき
と言った点からも、あまりにも、江ノ電側の対応は容赦なさすぎる。
今回の江ノ電側の対応は、「日常の安全面」と「事故における責任問題」を考えれば、いつかは「なんらかの対応を取るべきこと」ではあったと思う。
しかし、そこに至るまでのプロセスは、どう考えても早急すぎる。
また、津波が来た時に線路の封鎖箇所が増えれば、現状、封鎖予定箇所が避難路になっている箇所も多くある。
そう言った点からも、もっと時間を掛けて、江ノ電と地域住民と話し合い、双方の事情についてよくコミュニケーションを図る必要があったわけだ。
江ノ電側に、国交省など、「行政側からの圧力」があったのだろうか。
普段から、生活路線として全国的に親しまれていた鉄道だけに、この「問答無用」ぶりが気になるのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ384号より)
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