2014年5月13日に東京町田市の金属加工会社「シバタテクラム」で起きた爆発火災は、14日の夕方になってようやく、ほぼ消し止められた。
各メディアの報道によると、
◇この会社は、工場の設置に必要な条例に基づく市への認可申請を行っていなかった
◇この火事で、およそ1300平方メートルが全焼し、2人が重体1人が重傷を負い、合計8人がけがをした
◇会社は、パソコンの基板を作る工場で、大量のマグネシウムが保管されていた
◇2003年に、以前工場があった場所でも「マグネシウム火災」を起こしていた可能性がある
という。
わたしも、仕事で、マグネシウム合金鋳造加工する会社には、以前によく訪問したことがあるのでわかるが、塊のマグネシウムは無害ともいえるが、粉末になっていると、めちゃめちゃ厄介である。
一度、粉末状のマグネシウムに火が引火すると、水や二酸化炭素消火器による消火ができないからだ。
なぜなら、マグネシウムの特徴として水や二酸化炭素の「酸素」を奪って燃え続けるため、消火の際は「乾燥した砂で酸素を遮断」するしかない。
今回の工場の火災原因は、現在のところ、
「はんだ付け作業中に発生したと思われる火花が原因で、マグネシウムに引火した」
といわれている。
わたしたちが、こうしたマグネシウムを取り扱う工場に訪問した時に、すぐにチェックするのは、「火災となる可能性の特定とその対策状況」である。
たとえば、この工場の場合、
◇はんだ作業
◇製造機械周辺
◇老朽設備類や配線、コンセント
◇喫煙所
◇給湯室
と言った箇所とその状況である。
また、清掃用具にも注意が必要である。
マグネシウムの粉末や切り粉をほうきを使って掃くのは厳禁だ。
火花が発生し、マグネシウム粉末等に引火したら一大事なので、こうした工場では、防爆型の掃除機を使用して清掃を行うのだ。
通常、不祥事を発生させると、会社のホームページは閉鎖されるのが常であるが、「シバタテクラム」は、閉鎖されずにアクセスできたので業務内容をチェックしてみた。
主な製品は、
◇量産品(パソコンケース、携帯端末)
◇多品種少量生産品(業務用ビデオカメラなど)
とあるから、これらの製品はマグネシウム合金でできているのでしょう。
ただ、生産しているものから、取引先(発注先)は、電機メーカーであるから、取引条件に「環境対策」は必須となっているはずだ。
火災に伴う責任はもちろん、火災を発生させたシバタテクラム自身にあるが、発注先にも協力工場であるシバタテクラムをどのように管理していたのか、道義的な責任は確実に問われるであろう。
その際に特に問われるのは、
◇シバタテクラムの緊急事態の想定と準備対応が適切だったのか?
◇シバタテクラムは、工場設置許可申請など関連する法規制等は遵守されていることを確認したか?
といったことである。
シバタテクラムを協力工場として認定していた各電機メーカーは、シバタテクラムへの発注条件や管理方法の見直しや業務改善指導はもちろん、業者の選定方法の見直しもする必要が出てくることは間違いないだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ385号より)
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