韓国南西部の全羅南道珍島沖で旅客船「セウォル号」(6825トン)が2014416日に沈没した。

メディアの報道では、死者は、17日朝までに9人が確認されたという。


船体が傾いてから沈没するまでは約2時間あったといわれるが、大勢の乗客が、逃げ遅れて行方不明となった。

また、船長ら操船にあたる11人全員が救助されたにもかかわらず、多数の乗客が逃げ遅れていることから、「船長及び乗組員が乗客より先に船外に脱出した」とも言われている。

日本の「海の男のルール」(シーマンシップ)では、『乗客より先に逃げるのは恥』という考えがあり、また、韓国の法律(船員法)では、「船長は全ての乗客が脱出するのを確認してから下船しなければならない」との規定があるらしい。


そう言った点からも、この沈没事故は、おそらく刑事事件になるのであろう。

事故原因の究明についても「急転回した」との情報があることから、「人災」の可能性もあり、今後の調査が待たれる。


わたしの関心は、メディアの報道で、

「救助された乗客からは事故直後、旅客船内では『動かずに救助を待て』と放送が流れたとの証言がある」

ことである。

わたしは、大学の授業で乗船実習があったこともあり、その経験から、船舶の事故時の避難手順としてパニックを避けるために「一時待機」させることはある、と思う。

ただ、その後、乗務員から適切な指示が出なければ、逃げ遅れの被害を拡大させることになる。


推測であるが、

◇「一時待機」後の避難指示が不十分だった

◇避難指示を下す責任者(船長?)に責任感と判断能力が無かった

◇緊急事態の想定毎の避難手順が確立していなかった

◇想定パターンごとの避難手順に基づく模擬訓練が十分にされていなかった

◇避難の模擬訓練を通じて、避難手順の妥当性確認が十分にされていなかった

といった点に問題があったのではないかと思う。


推測される上記ケースについては、今回の韓国客船の運営会社だけでなく、日本の船会社においても、あり得ると思う。

今回の事故を受けて、日本の船会社では、救命具の再点検などの予防対策は行われたケースが多いようであるが、船内火災や船内通信機材の不具合、船体トラブル毎の避難パターンとその対応手順に基づく訓練と手順の妥当性確認は、意外と確認されていない気がする。


韓国客船の沈没に関しては、朴大統領は「徹底した事故原因究明と責任者処罰の方針」を示しているようであるが、「予測される沈没パターンごとの避難手順があり、訓練は実施され、手順の妥当性確認はきちんとされていたのか?」までも含めて、検証すべきであろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ381号より)


【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
 




http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/



【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html