2014416日に、STAP(スタップ)細胞問題で、理化学研究所の笹井芳樹発生・再生科学総合研究センター副センター長(52)が記者会見を行った。


記者会見を見た印象は、

◇理研という組織と自分の立場を守ったな

◇記者会見で用意した話の組み立て方が上手いな

STAP細胞はあると考えているな

ということを感じた。


記者会見全体としては、

「科学全体の信頼を損ねる事態になりかねず、心よりおわびする」

「不備を見抜けなかった」

と「現状の結果」に対する謝罪のことばと、

研究には「着想」「実験」「解析」「論文」の4段階があり、自分(笹井氏)が関わったのは「論文の作成(取りまとめ)段階」と「不備を見抜けなかった理由」を理路整然とわかりやすく説明していた。


しかし、逆の見方をすれば、

「画像データの不備などは実験、解析段階の話であり、わたしの関わりは薄い」

「実験、解析を指導する立場にあった当時の上司でもある若山氏がデータの正確さはチェックすべき」

「故意か過失かは別にしてデータの取り違いをしたのは小保方氏本人」

と「理研の組織の問題である」「笹井氏の上司としてのチェックが不十分」という世間の声を「そうではなく、小保方氏が主たる原因」と強調した感じがする。


やはり、理化学研究所が「特定研究法人」になるために、「組織体制の問題ではない」と副センター長として、言わざるをえなかったんだろうなぁ、と思う。

ただ、上げ足をとるわけではないが、「特殊な共同研究だった」というのであれば、それこそ、このような、バカンティ教授、小保方氏、若山教授、笹井副センター長などオールスターメンバーでネイチャーへの論文掲載に挑む「特殊体制」だったわけだから、このようなケースの場合の「責任著者は誰か」、「研究4段階のそれぞれの責任者と役割は何か」、「研究に関わる研究者が遠隔地にそれぞれいる場合、コミュニケーションチャンネルをどのように設定するべきか」などを「理研という組織としてどのように管理すべきなのか」が現状はあいまいだったわけで、「組織の問題」ではないかと思うのだ。


個人的には、小保方晴子研究ユニットリーダーの登用は、「研究の独創性を中心に評価した」と笹井氏が会見で述べたように、「発想、着想が優れているが、解析や論文作成に関しては未熟」という研究者を責任者にすることは、独創的な研究のためにも「あり」である。

また、iPS細胞(人口多能性幹細胞)との比較データや小保方さんのムーミン好きや割烹着姿での広報活動は、「STAP研究が世間に与えるインパクトを重視」したものであることは明らかで、この点に関しても、「あり」だと思う。

ただ、だからこそ、「研究内容に不備があった場合のリスク」も大きいわけで、だからこそ、「組織の研究体制やチェック体制をもっとマネジメントすべき組織改革や改善が必要」なわけだ。


笹井副センター長は、話しの組み立て方が上手い分、「不備が起きた理由」や「STAP細胞(STAP現象)が存在しないということに対する反証が現状ない」という説明には、非常に納得し、説得力があるものであった。

しかし、逆に、このような研究の場合の「組織の問題と今後の組織改革・改善の必要性」を世間に印象付ける結果になったのではないかと思う。



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