会社をレベルアップさせ、競争力をつける組織にするための方法論として「仕事の質を向上したい」と願う経営者は多い。
では、「仕事の質を向上するためには何をすればいいのか?」である。
経営者に「仕事の質を向上させるためにどんなことに心掛けていますか?」と問えば、「PDCAサイクルを回して仕事内容をスパイラルアップさせたい」と殆どの経営者が答えるであろう。
現に、私は仕事柄、このような質問を雑談を含めて、企業経営者にすることが多いが、たいていは「PDCAサイクルを・・・」という回答である。
そこで、もう一歩突っ込んで、「PDCAサイクルを回すために、会社で取組んでいることななんですか?」と質問する。
すると、「社員に問題点を挙げさせて、その原因を探り、改善を活発に実施していくことですね」とおっしゃられる。
そこで、さらに、
「では、ここ1年で何件ぐらいの問題点が挙がりましたか?」
「問題点の原因を検討して、突き止めた事例は何件ぐらいありましたか?」
「問題点について改善し、仕事の手順を見直した事例は何件ぐらいありましたか?」
と聞くと、だんだん、回答が怪しくなってくる(笑)
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別の事例を挙げてみる。
たとえば、「環境経営を導入して環境負荷低減をする」と表明した会社があるとする。
その会社は、各部署から環境委員を選任し、みんなで「環境負荷低減に繋がる改善点を拾い出してみよう」ということになり、社員全員にアンケートを実施して、改善点を抽出してみたのだと言う。
抽出された改善点は、
◇昼休みの消灯
◇空調の温度設定
◇トイレに「音姫」を設置し節水する
◇裏紙を使用する
◇ゴミの分別を徹底する
◇再生紙などリサイクル素材の文具を購入する
◇月に1回、会社周辺の清掃活動を行う
・・・・・などなど
しかし、申し訳ないが、これでは「エコ宣言レベル」の取組であり「環境経営」ではない。
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上記で挙げた
◆社員に問題点を挙げさせる
◆社員に環境負荷低減につながる改善点を挙げさせる
といった活動が、不十分になってしまった事例である。
では、「不十分になってしまった原因」は何か?
それは、
【社員が自分の勝手な解釈で「問題点」、「環境負荷の改善点」の意味を理解している】
ことが原因(元凶)なのだ。
「ことばを定義せず、あるいは、正確に理解させず」に活動を進めると、人は「自分のそれまでの経験の範囲内で言葉を解釈する」からだ。
「マネジメント」(仕事の質を管理する)の世界では、
◇問題点→「ネガティブな点」だけでなく、「より良くできる点」
◇環境負荷の改善点→「不効率な業務・サービス、製品不良」
→「お客様の環境負荷低減に繋がる製品やサービスの販売、提供」
という範囲で考えることが常識だ。
しかし、「問題点=クレームや製品不良」「環境負荷低減=節電、節水、ゴミの分別」という意識・理解のまま議論を進めてしまうから、「底の浅い表面的かつ会社に十分影響がある役に立つ活動と成り得ない」のだ。
これは、「仕事の質を向上させる」というマネジメントシステム(仕事の管理の仕組み)の改善の世界だけの話ではなく、何事でも「議論する前にはきちんとした認識の統一」を図ってからスタートさせないと、「せっかくの苦労や労力」は「徒労(とろう:無駄な骨折り)」に終わってしまうのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ242号より)
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