2014年3月31日付の読売新聞によると、
「日本の最南端の国土を守る工事のさなか、事故は起きた。30日朝、沖ノ鳥島(東京都)の桟橋建設現場で、5人が死亡、2人が行方不明となった」
という。
記事では、
◇沖ノ鳥島は、本州から南に1700キロ離れている
◇国土交通省関東地方整備局の松永康男・港湾空港部長によると、
→事故は、海面に浮かべた桟橋を、2隻の船で約500メートル離れた設置場所へと引き始めた直後
→桟橋が傾き始め、上に乗って作業をしていた16人が海に放り出された
→16人全員が救命胴衣を着けており、9人はすぐに救出された
→死亡した5人が見つかったのはしばらくしてからで、残る2人は行方不明のまま
◇現場では波の高さが1・5メートル以上、風速10メートル以上になった場合、作業を中止する取り決めがあるが、松永部長によると「桟橋を海に浮かべた瞬間は、問題はなかったが、引っ張る時に傾き始め、ものの数分で転覆した」。
という。
事故の詳細は、これから究明されていくと思うが、記者会見の中で、
「桟橋が転覆しひっくり返ることは想定していなかった。ひっくり返らない設計になっていた」
「手順通りの業務を行っていた」
という点が気になりました。
発注者の国交省や受託した五洋建設が、今回の工事と同様の桟橋工事実績があるのであれば、その経験から「施工管理基準の手順書」が作成されたものと思うが、現実には、事故が発生したので、手順書の見直しは当然必要になる。
また、手順書の内容に妥当性があるか否かの施工管理基準を規定する際のレビューや検証方法が有効だったのかどうかも気になるところである。
また、素人考えだが、報道された桟橋の画像を見る限り、「転覆しない設計」なんてあり得るのだろうか。
桟橋部分の重量が重く、残橋がひっくり返らない(上にならない)ということだと思うが、船で曳航する際のトラブルなどで、そうならない保証はなかったと思う。
ひっくり返ることを想定していないから、救命胴衣は着衣していたが、作業員が海に放り出された際の手順は、救命胴衣以外の救命策はおそらく講じていなかったことも、死亡者を増やす結果になったのだと思う。
事故の真相究明が待たれるが、
◇施工管理手順の中身の見直し
◇施工管理手順作成プロセスの見直し
◇緊急事態の想定の見直し
◇緊急事態の手順の見直し
◇今回同様の桟橋工事への予防対策
などやるべき事や考え直すことが多々ある「事故」と言えるだろう。
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