2014年3月17日に、各マスメディアが報じていましたが、
「鹿島建設が建設し、三菱地所レジデンスが販売した東京都内の高級マンションに施工ミスが見つかり、三菱地所は、マンションを取り壊し、建て替えることを決定した」
そうです。
大々的に報道されていたので、ご存知の方も多いと思いますが、この騒動の概要を振りかえっておきたいと思います。
◇マンションは、東京・南青山の「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」
◇2013年12月に、壁などの中にある水道管など配管を通すためのスリーブ(孔、穴)が、設計通りに作られていないなどの施工ミスが見つかり、契約者への引き渡しを中止していた
◇三菱地所レジデンスは、マンションを解体して建て直すことを決め、費用は鹿島建設が全額負担することになった
◇建て直しの完了には、3~4年かかる見通し
◇建て替えコストは取り壊しを含めて60億~100億円かかる
◇価格帯は1億4千万が主体で最高額の物件は3億5千万
◇全86戸中83戸が契約済みで、3月20日が引き渡し予定日だった
という。
それにしても、結果からみれば、お粗末な話である。
販売が三菱地所、設計施工が鹿島、設備工事が関電工と一流企業が担当しているのに、・・・である。
施工不良の具体的な内容は、全部で6000あるはずのスリーブのうち、1割の600か所の孔がなかったり、位置が間違っていたりしたという。
また、配管を通すために、後から開けた孔が、鉄筋を切ってしまった個所も見つかったという。
各メディアの報道だと「設計図を施工図に落とし込む過程で、孔がなくなっていたという。
個人的には、建設会社クライアントは多いので、この業務プロセスはイメージが湧くが、ふつうに考えたら、「施工図に落とし込む作業ですり合わせ」をするから、「発生しないミス」である。
いったい原因は何なんだろう??と思う。
この「原因の究明」が「効果的な再発防止のカギ」となるのは間違いない。
もうひとつ、この騒動できになるのが「施工不良の発覚経緯」である。
なんと「インターネット上にカキコミ」があり、それを見た契約者が三菱地所に問い合わせをして調査が始まったという。
三菱地所の施工業者の監視能力、そして施工業者の鹿島の管理能力が問われる話である。
カキコミがなかったら、後から孔を開けて、鉄筋を切ったことにより強度不足となったマンションを引き渡していたかもしれないのだ。
三菱地所は、
「今回の事態を受けて、施工中や販売中の物件のすべてで問題がないことを確認した」
と発表しているが、具体的にどのように確認したのだろう。
「設計図と施工図の不整合物件」はなかったのかもしれないが、鉄筋の使用量やコンクリート強度などが適切であったかどうかを確認するのは容易ではない。
また、今回の施工不良の原因が究明されていない段階で「問題がないし、これからも大丈夫です」と発表することは時期尚早であろう。
アベノミクス効果もあり、建設工事が急増している今の日本であるが、長らく続いた建設不況で「職人不足」が起きている。
したがって、こうした問題は氷山の一角なのかもしれない。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ377号より)
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